生駒のよもぎと石切さん・・・②

たどり着いた先には驚きの鳥居が・・・!
なんと角柱です!

しかもデカイ!

山門の役割を果たす「絵馬堂」には矢と剣・・・
この神社は、古代氏族の軍事・祭事を司った
物部氏ゆかりの地に立っていますので
こういった独特の屋根になっているのだと思います。
HPによればフツノミタマノ劔と天羽々矢ということになります。

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下り藤に「石切」の文字・・・
こちらの祭神は、物部氏の始祖、饒速日尊(にぎはやひのみこと)とその御子、可美真手命(うましまでのみこと)です。
記紀の言う様に、アマテラスに恭順の意を示したかどうかは定かではありませんが、
平安時代、社格を決めた延喜式神名帳に記載されていながら、
その階層制からはみ出る社風・気概を感じさせる地場とエネルギーです。
日本人ならきっと誰もが知っているこの映画・・・
「千と千尋の神隠し」・・・先日もTVでやっていました。

千尋がのっている龍は「ハク」のもともとの姿「白龍」・・・

彼の本名は、「饒速水小白主(ニギハヤミコハクヌシ)」・・・
かつては千尋が以前住んでいた家の近くの小川「コハク川」の主である神です。
この名前の由来は、饒速日尊(にぎはやひのみこと)ではないかと思っています。
最近は確信に近いものを感じます。
(「コハク」の謎も、現在右往左往して探しているのですが・・・

実は、石切さんの祭神がこの饒速日尊(にぎはやひのみこと)だと、
この日行ってはじめて知りました!

知ったときは、本当に(なぜか)嬉しかったです

そして、なんだか分かりませんが勇気も出ました

大和・河内に元々さまざまな氏族が土着し、定住していた・・・
それぞれの氏族をゆるい連合制で束ねていたのが饒速日尊(にぎはやひのみこと)では・・・。
後からやってきた渡来人(天津系)に土地や人民を奪われ、あるいは平和的に譲り・・・
そうして、出来上がっていったのが一極中央政権を目指す大和朝廷・・・

そう、この二人には共通点があるのです。
饒速日尊(にぎはやひのみこと)は連合制の王としての地位や領土・領民を後発の渡来人に譲り・・・
その死後は、由来や格をゆがめられ・・・
一方、ハクも神としての自らの名と記憶を奪われた・・・
宮崎駿さんはそういった古代史の経緯を知っていて「ハク」に神隠しの神話を託し描いたのでは・・・。
緩やかな調和・ハーモニーの縄文性が、
がちがちの一極制価値観に駆逐されていく哀しさ・・・
この経緯は、一人の王がどうなったこうなったという話ではありません。
租税や義務の定義が大きな転換期を向かえ、
それから1400年以上もの間、人民がそういった価値観の中で生きなければならなくなった分岐点だったわけです。
まるで今の世の中のようです。
なぜかそういう由来のある地では、必ずといっていいほどマイペースのニャンコによく会います。

ここでもたくさんのニャンコが「のんびり緩やかな縄張り意識」で悠々と暮らしていました。
ニギハヤヒの世界は、きっとこういった人々が一杯いたのではないかと思います。

絵馬堂をくぐり、振り返ると沢山のオーブ・・・
私たちがどんな世の中を作るのか、古代の人々からの温かいまなざしに見えます。

現代と古代のカオス・・・そんな予感がする石切さん・・・
いよいよ、境内へ入ります。
つづく・・・

