独楽吟・・・
「たのしみは」で始まって「・・・とき」で終わる形式でよんだ和歌のことです。
飾らない身近な言葉で、生活や家族の幸せ、学問への態度などがよみ込まれています。
橘 曙覧(たちばな の あけみ、文化9年(1812年) - 慶応4年8月28日(1868年10月13日))という人がはじめました。

たのしみは 朝おきいでて 昨日(きのふ)まで 無(な)かりし花の 咲ける見る時
soraの好きな歌の一つです。
曙覧は、越前国石場町(現・福井県福井市つくも町)に生まれましたので、
今では一年に一度独楽吟のコンテストが福井県で開催されます。
今年で20回目みたいですので、興味のある方はこちらをどうぞ・・・
さて、昨日の宙の言の葉再放送・・・
その独楽吟をやってみました・・・。
「たのしみは・・・」ではじまり
「・・・とき」で終わる和歌を参加してくださった皆様に書いていただきました。

前回の名前の和歌は右手で書いたので、今回は左手で書いてみました。
左手だと覚束ない分、丁寧に書きますので
より言葉をかみ締めるように大切にする気がしました。
五七五七七のリズムは、
言霊を人の皮膚や宇宙に浸透しやすいように
微細にする装置・・・だとsoraは思っています。
五七調や七五調は
日本語の起源ともいわれる南インドのタミール語にもその名残があるようで
海洋民族が船に乗って日本に伝えたのかもしれません。
「どんぶらこっこ・どんぶらこ」
舟をこぐリズム、これも七五調です。
風・波と融合するリズムは七五(五七)調だと
古代に人は経験から知っていたのでしょう。
命がけの海渡りは、風・波と人の融合が不可欠だからです。
やがて、陸に上がったわれわれも言祝ぐ(詠み上げる)ことで確実に
宇宙に影響力を持つことになります。
良い言葉を詠めば、良い波動が宇宙に放たれることになります。
「たのしみは・・・」で始まる独楽吟ですから
言ってみれば地球わくわく運動を推進(笑)することになります。
Aさんは(上)、ヨガをされているときの情景を詠まれました。
手を伸ばす先の太陽がきらきらと傍にいた私たちにも感じられました。

Tさんは(中)、天と地の間にある自分が心地よい風に吹かれている情景です。
壮大な視点の気持ちのいい歌です。

「風は世界で一番柔らかい化石」とどこかの考古学者がいったそうです。

何万年前の人々や動物・草木の息吹が今のこの風に宿っている・・・
その風を皮膚で感じることは、そのものたちに抱かれるということ・・・
一人じゃない・・・包まれている実感が今ここで感じられる。
人は、なぜ生きるのか・・・
たくさんの応えがあると思うのですが
その一つに霊的進化があります。
この和歌を通して
自分は何を見て何を見ていないのか・・・
常に柔らかく、しなやかに、優しい気持ちで・・・
風はそう教えてくれているのかもしれません。
世界を、そして自分を見つめるいい時間でした。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
最後に、独楽吟ではありませんが
もう一つ好きな歌を・・・
「何事も神に任せて世に住めばいと心地よき今日の暮れかな」 黒住宗忠
