春分の日と食事・・・
「日本人の美質を取り戻す」
「和食」が世界遺産に指定され、
我が国も観光立国を強調しているので、
古来、食べることに
最も粛然と対してきた
寺の食事のあり方が紹介されていました。
臨済宗の大本山円覚寺の
管長・横田南嶺老師がわかりやすく教えてくださっています。

五観の偈(げ)
一には功の多少を計り
彼の来処を量る
二には己が徳行の全闕を忖って
供に応ず
三には心を防ぎ
過を離るることは貪等を宗とす
四には正に良薬を事とするは
形枯を療ぜんがためなり
五には成道の為の故にいま此の食を受く
横田南嶺管長解釈
一、この食事がどうしてできたか、
どのような手間がかかっているか、
どうしてここに運ばれてきたかを考え、
感謝をいたします
二、自分の行いがこの食をいただくに
価するものであるかどうか
反省していただきます
三、心を正しく保ち、貪りなどの
誤った行いを避けるために
いただくことを誓います
四、この食事は良薬であり、
身体を養い健康を保つために
いただきます
五、私は自らの道を成し遂げるために
この食をいただきます
いただきます
偈の後食願はくは
此の功徳を以て
普く一切に及ぼし
我等と衆生と皆共に
仏道を成ぜんことを
ごちそうさま
横田南嶺管長解釈
どうかこの功徳をひろく一切の
生きとし生ける者皆の為にふり向けて、
私たちと人々ともろともに
仏道を成就することができますように。
ごちそうさまでした。
(偈…韻文体の経文。
四句からなる詩の形で
仏の功徳を褒め称えたもの)
今日はちょっと風の強い春分の日・・・
陰が転じて賜となる日・・・
風が心の邪念を払ってくくださいますように・・・
太陽の恵みに感謝し、
いつも背筋を正し、肝に銘じていられますように・・・
