私しか私にできない
ある青年が店に入ってきた。
マスクをしていたこともあり、
全く誰かがわからない・・・
「○○です」
あ、卒業生だった。
卒業生と言っても
私のふがいなさゆえに
中2で当塾をやめられたご家庭だ。
その彼が、
「大学に受かりました」
と、ご報告に来てくれたのだ。
近況を伺うと、
彼はライフル射撃部で国体にも出た!そうで、
外部コーチとの出会いからこの競技がすごく楽しくなったこと、
ライフル射撃の種類や打ち方、
修学旅行のこと、
あれこれと小一時間話した。
「ライフル射撃部がほんっと~~うに楽しい!」と何度も言っていた。
大学もこのライフル射撃の自己推薦で合格したという。
冒頭彼はこんなことを言ってくれた。
「この塾のお陰です。
自分の価値観がこれでいいと思えたし広がった」と・・・
当時彼は、自分のオリジナルの価値観に悩みを抱えていた。
その価値感をみんなに否定&揶揄されていたからだ。
「そのままでいい」
そういう話をじっくり二人で話したのを今も覚えている。
青年期の否定と揶揄は、
「羨ましい」とほぼ同義語だ。
自分のオリジナルの価値観を持てない、
つまり、親の言ったとおり、周りの大人の言った通りの
価値観しか持てない心空虚な青年は、
本当は彼ではなく、親や大人を否定したいのに
その自己矛盾があるとはこれぽっちも思わないで、
彼のようなオリジナルを羨ましいと攻撃する。
「そのままでいい」
それが彼にとってそんなに
印象深く思ってくれていたのかと思うと
素直にとても嬉しかった。
実は、彼は高校入試時に
第一志望校の不合格を頂いたことで
本当に暗中模索だったと風のうわさに聞いていたが、
それを克服しての大学合格だ。
「そこには呼ばれていなかったんだよ。
ライフル射撃部がある○○高校に呼ばれていたんだよ」
そう言うと、彼は満面の笑みになった。
教育に携わっていると
つくづく思うことがある・・・
小さいときは親が
小学生ごろからは友人が
中学生から高校生、それ以降は世間様が・・・
そうやってバトンパスされながら、
変遷しながら子供は育っていく・・・
わたしは、この世間様に入るのであろうが、
いつも私が根底にあるのが
「あなたはあなたになればいい」だ。
周りも、本人も、
この問いかけをどんな年齢の時も
届け続ければ、必ず道は拓ける。
多くの子どもたち、卒業生、
そして、大人たちのご相談を受けていて
本当にこれを確信している。
「私」を 親や先生や、ましてや友人、他人に委ねない。
言い訳の元だからだ。
人は油断するとすぐに、
機嫌をとったり
我慢をしたり
合わせたりする・・・
「私」路線を逸脱する・・・
「私を私にすればいい」
「私は私になればいい」
「私しか私にできない」のだ。
[スポンサーリンク]
theme : 心、意識、魂、生命、人間の可能性
genre : 心と身体
tag : 私は私になればいい
