生命は自然発生する(千島学説⑨)
一旦終わろうと思っています。
私にとってこれまでの千島学説は
赤血球学であり、細胞学です。
ですが、今日述べる
第6原理 遺伝学の盲点
第7原理 進化論の盲点
は、タイトルだけしか知らなかったものです。
今西錦司氏の説を少し学んだことがあるので
ダーウィンの進化論についての矛盾は知っていました。
ダーウィン進化論では、
いわゆるカンブリアの大爆発が説明できないのです。
なるほど、ここにきて
千島学説と今西錦司氏の共通点に触れることができました。
要は、「自然発生」です。
ただ、このブログを書くにあたって
改めてじっくり読んだ項目です。
いくつもの新鮮な発見がありましたので、
ここに記したいと思います。
ご一緒に知的探求の旅に出ていただくつもりで
お付き合いいただけるとありがたいです。
では始めます・・・
第6原理 遺伝学の盲点 1932年発表 …畜産学粋…明文堂
(生殖細胞は赤血球から。遺伝は環境を重視)
第7原理 進化論の盲点 1956年発表 …アカデミア…NO.32~34
(弱肉強食思想は行き過ぎ。進化の基盤は共存共栄である)
今年の共通テストの時に
東大門の前で驚愕の事件が起きました。
犯人は高2の現役高校生・・・
あまりの身勝手さに
思わず動画を2本上げましたが、
➡#110 Ⓟ【東大前刺傷事件】少年に何が起きていたのか
➡#111 【親育】わが子を身勝手な大人にしないための5つのアドバイス
彼は、女の子への告白の理由に、
「僕の賢い遺伝子と、君のかわいい遺伝子が合体すれば
最強の素晴らしい子供が生まれる」
と言って交際を迫ったそうです。
彼が、千島博士の遺伝子学への見解を読んでいたら
少しは変わったでしょうか・・・
彼の遺伝子学への概念は、
親の遺伝子がほぼすべてで
後天的に獲得した形質は遺伝しない
という、古い遺伝子学の考えから来ているものです。
まさに、教科書の悲劇です。
さらに、
ごくまれに突然変異はあるが、
それは次世代に遺伝しない・・・
というのが今の生物学(教科書)の常識です。
つまり、「蛙の子は蛙」というわけです。
最近になって、この概念が覆されているようです。
つまり、
「馬子にも衣裳」
「氏より育ち」
は、確かにあるというわけです。
➡獲得形質は遺伝する? -親世代で受けた環境ストレスが子孫の生存力を高める-
「最近」と言いましたが、
実は、生物学の歴史上、
すでにこの獲得形質について
主張していた生物学者がいるのです。
ラマルク(1744 - 1829年)博物学者
彼は、自然発生説を信じていました。
ダーウィンに押されて
消えていった説です。
ダーウィンはかろうじて
ラマルクの説を少しだけ残しました。
生命は、
突然変異した遺伝子を「自然選択」するという説ですが、
あくまでもお茶を濁しています。
生命は、自動詞
という私の仮説に基づくと
たまたまの突然変異ではなく、
その生命が自分で選び変異し、それを選択した
ということです。
わたしは、ラマルク説を信じるに値する自然現象と思います。
つまり、我々の細胞は、
遺伝や環境の変化によってのみ進化するのではなく
その環境をどう解釈したかで
新しい遺伝子を自ら生み出し
次の世代の生命も
自分で選んでいくという在り方です。
ですから、
トンビが鷹を生む
は、突然変異ではなく、
トンビにはトンビの意志があり
鷹には鷹の意志があるということです。
つまり、外部の我々には、
それが自然発生(突然変異)したと見えるのです。
そういう意味なのです。
千島博士は、
第1原理 赤血球分化説 1932年発表 …畜産学粋…明文堂
(赤血球は凡ての体細胞の母体である、もちろん生殖細胞にも分化する)
第3原理 バクテリア・ウイルスの自然発生説 1954年発表 …岐阜大学新聞…
(バクテリア・ウイルスは一定条件下で自然発生する)
第4原理 細胞新生説 1950年発表 …科学…20巻10号
(細胞は分裂増殖しない。6つの形態で新生する)
といい、バクテリアは自然発生し、
それが赤血球となり、核を持った細胞となる・・・
つまり、核のなかのDNAが自然発生すると言っていいわけです。
遺伝は、親からだけでなく
環境の解釈によって自然発生すると言えるわけです。
だから、がん体質の親だって自分がなるとは限らないし、
遺伝子組み換えワクチンを打ったからといって
すべてに影響するわけではないという、
希望が見えてくる・・・
そう考えると、
自分は親から受け継いだもののほかに
一体何を自然発生(突然変異)させたのだろうと、
ワクワク想像したくなります(笑)
ダーウィンは、ラマルクを評して
「彼は、無機的世界だけでなく、
生物の世界でもあらゆる物が変化する可能性があり、
そこに奇跡が絡む訳ではない事に対し、
初めて注意を喚起したという点で、偉大な貢献をした。」
と言っています。
つまり、
われわれの生命は
漠然とした奇跡ではなく、
自動詞の積み重ね・・・
でも、あえて私は言いたいです。
生命は、自己選択という奇跡の賜物・・・
つまり、
選択が奇跡を生むということです。
これすごくないですか!
努力が奇跡を生むのではなく
才能が奇跡を生むのでもなく
遺伝が奇跡を生むのではない・・・
環境の変化をどう解釈したか
=選択が奇跡を生むということです。
ラマルクは自然発生説を信じていました。
千島博士と同じです。
教科書的に、”進化”は
「地球上に生じた初めの生物が子孫を残していく中で少しずつ分岐し、
別の種ができていった」というものです。
一方、ラマルクは
「それぞれの種は別々に誕生し、時間がたつほど複雑になっていった」
と考えました。
「ある一つの種の変化」は認めるけれども、
一つ一つの種は別々に…
つまり「自然発生した」という発想です。
➡用不用説の提唱者「ラマルク」について知ろう!現役講師がさくっと解説!
西洋は、必ず原因を探します。
「空」から「有」が生まれると思っていないのです。
教科書にも
何事も自然には発生しません。
すべての(化学)反応では、その前と後に同じ量の物質が存在します。
交換または修正の反応のみが存在します。
ラボアジエ「保存の法則」
とあり、それが「質量保存の方式」として教科書の常識です。
しかし、現実にはあるのです。
それが、ケルブラン(1901〜1983年)の原子転換です。
Mg(12) + 2H(1) → Si(14)
Si(14) + 4Li(3) → Fe(26)
式だけ見れば
自然発生、突然変異です(笑)
明日はこのことにも触れながら、
千島学説の最終話(⑩)を書きたいと思います。
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