令和buzz340・・・昔話後編~塾人が親御さんを叱る時~
しかし、何らかの事情で
そのプライドが保てなくなったとき
人をコントロールしてまで守ろうとする人がいます。
いえ、自分のプライドとそのコントロールが
全く関係ないことだと気が付いていないのが
厄介なところです。
「見栄」です。
親御さんが、この見栄で子供をコントロールし始める時
状況は本当に醜いことになっていきます。
親御さんと本人の進路希望が違うことは
本当によくあることです。
しかし、たいていの場合、
親御さんが折れる形(納得)で
子どもの意向に沿って行きます。
このお母さんは、まったく逆でした。
子どもの第一志望校(公立)が固まれば固まるほど
自分の面子が立つ私立にこだわりました。
しかも、最後の最後にこう言いました。
「(この私立に)受からなければ私は引っ越しします!」
「まじめにお考えですか?」
「はい!耐えられないので」
唖然としました・・・
子どもが今一生懸命に第一志望校に向けて
必死に努力しているにもかかわらず、
この期に及んで自分の体裁と見栄を優先し、
しかも、落ちたら恥ずかしいので
引っ越しする・・・とな・・・!
「お母さんそれは違います!」
「子どもさんが今一番苦しいときにそのセリフはいけません」
「お母さんの面子のために
子供さんは生きているわけではありません」
正確な言葉尻は忘れましたが、
こういった言葉で真剣に叱りました・・・
親御さんに・・・です。
「先生はうちの田舎の空気を知らないんです!」
涙をにじませて怒り始める親御さん・・・
どこまでも自分可愛さが爆発していました。
(いやいや・・・)
(知っていても同じこと言います・・・!)
それは、本来なら
お母さん自身が乗り越えなければならない
心の未熟さでした。
その未熟さが、醜いほど膨れ上がり
子どもの人生さえ道連れにしようとしていた瞬間でした。
今ならもう少し、上手にお話しできたかもしれません。
しかし、当時あの言葉が
私にとっての精一杯の誠意でした。
柔道
剣道
茶道
華道
・・・・・
受験にも「道」があります。
なにがなんでもある高校に入ることだけが・・・
しかも、子供さんの意向を無視して
自分の面子、見栄を優先させる受験・・・
それは道に反することです。
道を外れようとしていたそのお母さんとは、
ある種の物別れになった苦い経験でした・・・
その一か月後、
この生徒さんは見事第一志望校(公立)に受かりました。
あれから15年ほどたっているでしょうか・・・
もう30歳ほどかな・・・
彼女は今どうされているでしょうか・・・
幸せをお祈りしています・・・
追記・・・
本日の動画です。
「観察は愛」
このお母さんも、
自身のご両親を観察し見つめなおすことで
もっと楽になったのかもしれません。
よろしければご覧ください・・・
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tag : 高校受験
