樹下石上170・・・深みの昭和、広がりの平成
チームメイトに江夏、山本浩二、衣笠がいた
高橋慶彦(よしひこ)のコラムが
JAFの毎月送られてくる冊子に載っていた。
入団した高橋は、高校時代ピッチャーで4番・・・
しかし、プロでは力の差が大きく通用しなかった。
そんな高橋に当時の古葉監督はこう言う。
「慶彦、プロ野球って足だけでも飯が食えるんだぞ」
この逸話は、曲がりなりにも教育に携わる人・・・
教師だろうが、塾の先生だろうが、
町のクラブコーチだろうが、
親御さんだろうが・・・
とにかく育てることを生業をしているすべての人が
見習いたい古葉監督の秀逸さである。
まさに、指導者とはこういう人のことを言う・・・
つまり、
①部下の、生徒の、伸びる要素を見抜き
②方向性を示し
③結果、やる気を出させる
こうなれば、目の前の部下や生徒さんは
自然と伸びていく・・・
当時いた山内コーチも素晴らしかったらしい・・・
プロ野球はみんなよーいどんで始めるが
早く終わってしまう選手もいることを
例に挙げてこう言ったという。
「途中でもがかなあかんのよ。
もがいてもがいて、道のりを長くするのは自分よ。」
野球の深み、奥深さを知らしめている。
昭和人のボヤキかもしれないが、
昔の指導者は、目の前の技術やテクニックだけではなく、
そのスポーツの本質をよく語った・・・
生きる本質と言ってもいい・・・
それは若い私たちからすると
まるで宇宙を見てきた翁からの教訓のようで
キラキラした目指すべき道標のように見えた。
だから、努力もしたし、何よりも楽しかった・・・
この高橋はこうも言っている。
古葉や先輩の衣笠はとても怖かったらしい。
怖いけど好きだったと・・・
確かにいた・・・
あの先生 怖いけど好きだといえる存在が・・・
逆になんであんなに怖くなれるのか興味さえ持った。
どういう心構えで怖くしているんだろうと・・・
インターネットやSNSで
今の子供たちの前には
途方もなく広い世界が開けている・・・
黒電話で育った我々からすれば、
もう何でもできる錯覚に陥りやすい。
でも深みはどうだろう・・・
今の中学高校生に、
そういった大人の道しるべはあるのだろうか・・・
このコラムを読んでふと寂しくなったが
思い直した・・・
未熟者で恐縮だが・・・
だったら、わたしが後を引き継ごうかな(笑)
theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体
