樹下石上 111・・・こうべを上げよ
非常に感動した場面があった。
この章は、どこにでもいる普通の女子高生だった中嶋陽子が
慶という国の王になっていくファンタジーだ。

初めて王として初勅※を出す場面は
まさにいまの日本への初勅と言っていい。
※初勅:
これから王がどんな国を作ってゆくか、
どう国を導いてゆくかを端的に現す法律。
王直々に宣下する。
長いがここに文字越ししてみる。
「他者に頭を下げさせて
それで己の地位を確認しなければ
安心できない者のことなど
私は知らない。
それよりも、人に頭を下げる度に
壊れていくものの方が問題だと
私は思う。
人は、真実に相手に感謝し
心から尊敬の念を感じたときには
自然に頭が下がるものだ。
他者に対しては
礼をもって接する。
そんなことは当たり前だし、
するもしないも
本人の品性の問題で
それ以上のことではないだろうと
いっているんだ。
私は、慶の民に
誰でも王になってもらいたい。
地位をもって礼を強要し、
他者を踏みにじることになれた者の末路は
昇紘、呀峰(悪王)を例に見るまでもなく
明らかだろう。
そしてまた、踏みにじられることを
受け入れた人々がたどる道も...
人は誰の奴隷でもない。
そんなことのために生まれるのじゃない。
他者に虐げられても
屈することのない心...
最悪に襲われて
くじけることのない心...
不正があれば正すことを恐れず、
けだものに媚びず...
私は慶の民に
そんな不羈(ふき)の民になってほしい。
己という領土を治める
唯一無二の君主に...
そのためにまず、他者の前で
毅然と頭を上げることからはじめてほしい。」
接待で骨抜きにされ、
真実を伝えないマスコミ...
内閣に人事と金を握られ
我が身かわいさに忖度を続ける官僚と政治家...
自分一人では、なにもできないし、
変えられないと下を向く民...
陽子の初勅は「伏礼を廃す」...
私たちは、自他共に
いつの間にか歪んだ伏礼を当たり前とあきらめ、
見て見ぬふりをしてきたのではないか...
毅然と頭を上げることから・・・
さあ、今日も元気に行こうではありませんか・・・
theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体
