秋、寒露のころ⑤・・・生野菜
恒例の前夜祭があった。
子どもたちはもう祭り気分でとても楽しみなのか
しきりに前夜祭の話をしている・・・
わたしは、地元の子どもたちが祭りに行かなくて
いったい誰が祭りに行くんだ!という考え方なので
行きたい子には授業を振替をしている。
「子供の喜びや歓声」は
その地域をまつる(祀り上げる)・・・
裁縫に「まつり縫い」という縫い方がある。
裾上げによく使う縫い方だが
下の布をに針を刺し、すくう。
そのあと上の布への針の指し方がとても重要だ。
できるだけ目立たず、織り糸の1.2本をすくって
表からは目立たなくする。
それを5ミリほどの間隔で繰り返していく。
上の布を「縫う」とは言わず
「すくう」(救う)というところが、言い得て妙である。
私はこのまつり縫いの美しさを
父に教えてもらった。
父は、背広職人だったので
小学生の私には信じられないほどの速さと美しさで
縫い上げていった。
この津に来て、
子どもたちが祭りを楽しみにするあまり
塾を休んだり、振り替えてほしいと依頼が来るようになったあたりから
私はこのまつり縫いと祭りが重なる。
下と上(子どもたちと神々)が見事なまでに
「糸」(意図)によってまつりあげられていく・・・
出来上がる布は、上下の境目がないほど一体化していく・・・
その昇華されたさまがなんとも美しい・・・
だれの御業なのか表からはわからない・・・
祭りと子どもは一体である。
子どもが楽しまない祭りに神はいない。
神は子どもが大好きなのだ。
布と糸と神、まつり・・・

(父の手仕事まつり縫い)
で、題名の「生野菜」・・・
とある生徒たちとの会話・・・
生 「先生、こうやって書いて『ぜんやさい』って読むんやんなー」
手もとの紙には〝生野菜"と書いてある。
わ (へっ!?)
顔を見ると大真面目である・・・
???
わ 「それ真剣に言っとるんやんなー」
・・・・・(大笑)
わ 「どっから聞いたん」
生 「え、ずっとそう思とった!」
一同、大爆笑・・・
話はここで終わらない・・・
すぐさま、別のある生徒・・・
「生野菜って、『ぜんやさい』とも読めるんやな(少し確認&納得気味)」
もうかみ合わずに、わけがわからない(笑)
全く人の話を聞いていない方たち・・・
うちはそうやって日々笑いあっています。
theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体
