夏、小暑のころ①・・・なんで勉強しなきゃいけないの?
毎日毎日しなければいけないと思う?」
実は「しなければいけない」ということはないのだが
日頃の彼らの言葉を使えばそうなるのであえて使った。
人は、嫌なことをしているだけなら
からだが空洞になったりしない。
どんなに好きなこと、好きな仕事に就いたって
つらいこと、いやだなと思うことは起こる。
「好きなことだけをしていなさい」と
似非スピリチュアリストはおっしゃるが
その好きなことをしている似非スピリチュアリストの陰で
いやな仕事を一手に引き受ける
事務方がいたりするものだ。
もう一度言う。
人は、嫌なことをしているだけなら
からだが空洞になったりしない。
嫌なことをしているうえに
自分の存在が誰にも認められなかったり
自分の努力が誰の目にも止まらなかったり
そんな努力大したことがない、
もっとしなさいと言われた時に
虚しさを覚え、虚脱感が起こり始めるのだ。
先日、新幹線で男性がなたを振り回し、
人を死なせ、大けがをさせる悲惨な事件が発生した。
わたしは、ああいう事件が起きるたびに
けっして他人ごとには思えない感情を持つ。
自分も町の一角で
ちいさいながらも教育に携わる仕事をしている。
だから、いまの自分の教育が
彼、彼らの5年後10年後にどういう影響を及ぼすのか・・・
そう考え、日ごろの自分を振り返る癖がついている。
「これからいろいろあるけれど、なんとかなるよ」
そう伝えるためにこの仕事をやっているに等しい。
わたしは、進路を決める彼らに
「あなたが呼ばれているところがあるよ」
といっている。
長いこと受験指導していると
受験とはつまるところ「そういうこと」だとわかってくる。
仮に偏差値が高くて、高い高校大学に行っても
「水」があっていなければ、苦しく、時に不登校になる。
県内屈指の進学校に行った卒業生で
不登校になった生徒を私は3人を受け持っている。
彼らがわたしに教えてくれたのは
自分を認めてくれる「水」の大切さと
人生どこからでもやり直しがきくということだ。
たらればだが、新幹線の若者も
出会う大人が口々にそう楽天的に伝えていたら
もっと変わった人生になったのでは・・・
そう思えるのだ。
「なんで勉強しなければいけないの?」
と定期的に問いかけるのは、
「勉強ができなくてもなんとかなる」ということを伝えたいからだ。
大人が、「お金」がいちばんになっていけないように
子どもも、自分の存在を証明する
唯一一番の要素が「勉強」になってはいけないからだ。
つづく・・・
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