夏、小満のころ⑪・・・ゴッドゾーン
まるで、時が止まったかのように
自分の見ている世界が超スローモーションになり
自分のいつもの目線よりもう一つ高いところ・・・
そう、後頭部のちょっと上あたりから見ているような感じになり・・・
すべてがゆっくりとはっきりとみえるのである。
わたしはこの時の隙間を
ゴッドゾーン(神を垣間見る領域)と名付けている(笑)
今までで二回経験しているが、
あとは、自分が死ぬ時の走馬灯だろうか(笑)
一回目は、高校のソフトボールの試合中だった。
その試合は、私たちのチームにとっては
絶対に勝ちたい宿敵の相手だった。
相手チームのピッチャーは、丁寧にコースを突いてくるため
なかなか打ち崩せない嫌なタイプだった。
対戦が決まると、
毎日そのピッチャをイメージに浮かべて素振りを繰り返した。
イメージの中では、どのコースも打てる映像がはっきりとできていた。
だからだろうか・・・
打席になって、狙い球をフルスイングした時・・・
なんと、バットを振り下ろすそのシーンから
すべてがスローモーションになった。
コマ送りと言っていい・・・
「カクッ カクッ カクッ」
すべてがはっきりとみえた。
ボールの縫い目(ソフトボールのゴムの模様)が回転しながら
ベース上に届いてくるのもみえる・・・
そして振り下ろされたバットとボールが衝突し、
ボールがぐにゃっと張り付く・・・
何度も読んできた水島新司の漫画のようだった。

Cの字型に張り付いたボールが元に戻ろうとして・・・
勢いよくバットから離れていく・・・
ここから元のスピードへ戻っていった。
結果は、強烈なセンター前ヒット・・・
一塁 塁上に到達した私は、
次のサインを見なければいけなかったが
視線と頭は別のことを考えていた。
「ホントに漫画みたいなことがあるんだ・・・」
たった今経験した出来事に
ひとりニヤついていたのを覚えている・・・
「わたしたちは、わたしたち自身にないものは具現化できない」
イメージをすることの大切さから
よくスピリチュアルで言われることだが、
思い返せばまさにそういうことだったんだと思う。
つまり、打つことを当たり前としたから打てた・・・ということになる。
「何を当たり前と思っているのか」
「何をあるべきだと感じているのか」
そのことで「人生のかたち」が決まってくるんだと思う。
二回目は、ダンスの本番の舞台上だった・・・
theme : スピリチュアルライフ
genre : 心と身体
