十年、をちこち・・・81
をちこち77で書いた
③書籍データと原稿の返却 です。
実は当初、申立代理人、破産管財人からの回答に
3月31日付けで社員が全員解雇されていたため
なかなか難しいということでした。
それが、しばらくして元社員の方から
経緯、現状を説明する内容と
思いが書かれた葉書がやってきました。
社員の方も2か月の給与の遅配があり
3月中旬より自宅待機だったようです。
そして、31日に初めて
会社が倒産の申し立てをしていることを知ったそうです。
原稿の返却やすべての出版がとん挫していることに
断腸の思いがある旨が綴られていました。
わたしが破産手続きの封書をもらって驚いたように
社員の方も同じ思いをされ、
しかも、預かっている原稿の返却を早く
自分たちの手で行いたいと、切に願っておられました。
「地獄に仏」
まさにそんな感じでした。
この葉書が来てしばらくして
無事に原稿は返ってきました。
仕事とはこういうものか・・・
どんなに厳しく法が執行される中でも、
どんなに自分が苦しい思いをしていても、
きっと人間が最後に求めるものは
人間への誠実さなのではないか・・・
何としても原稿を返したい・・・
会社が倒産したとわかっていても
おそらく元社員の方は、
何とかこれを成し遂げたいと思われたのでしょう。
その誠実さは、もちろん他人に対してもそうですが、
何よりも自分の心に誠実であろうとすること・・・
これを人の尊厳というのでしょう。
この誇りが人を人たらしめる・・・
人間の根幹は、
自分への誠実さ・・・
元社員の皆様、無事に原稿を受け取っています。
その節は本当にありがとうございました。
theme : スピリチュアルライフ
genre : 心と身体
tag : 地獄に仏
