十年、をちこち・・・㊽
私は、父が最後の病床に就くまで
盆と正月のお墓参り以外は
ほとんど家に帰らない人でした。
いまでは、
ひとり暮らしで、病と共存している母に
月に数回会いに行くことが自然になりました。
いま私は母に、「本当に出会っている」気がします。
物心ついた時から
私は母と特に仲が悪いわけではないのですが
リズムというか、タイミングというか
そういうものがなんとなく合わないと感じていました。
中学高校の多感な時期は
話しかけてほしい時にほっておかれ
話しかけてほしくないときにねほりはほり聞かれ・・・
そんな感じでしょうか・・・
母としても
常に相談なく動き
事後報告だったわたしに
どうしてあげていいのかわからない
戸惑いがあったのだと思います。
私は小中高と家では極端に口数の少ない子供でした。
三者懇談でも
「何にも言わないので・・・」と
母が言っていたのを思い出します。
「何を考えているのかわからない子」
母はそう思っていたようです(笑)
感謝の気持ちはたくさんあるのに
「子ども」としての甘えがそうさせていたのだと思います。
昨年父が亡くなったことによって、
そんな関係が大きく変わります。
私としては人生初ぐらい実家に近寄るようになり
本当に、いろいろなことを話すようになりました。
幼いころの話や
あの頃こう思っていたとか・・・
母が何度も繰り返す今昔話にも
はじめて聞いているかのように
不思議なほど気持ちのいい相槌が打てるようになっている自分に、
本当に驚いています。
18歳で愛知を離れ、
三重に来てからの年数のほうがとうに長くなっているわたしが、
今ようやく、ほんとうに母と出会っている・・・
そんな感じです。
theme : スピリチュアルライフ
genre : 心と身体
