BEST BOOK5 明治維新という過ち 原田伊織
日本という混合渡来人の国で、
先発隊も後発隊も、ゆるやかな和合でもって
暗黙の了解がなされていた「クニ」にもかかわらず
強制的に一つの縄で束ねられ窮屈になったか時が3箇所ある。
一つは日本書記が束ねられたとき・・・
一つは明治のご一新・・・
一つは戦後、GHQ支配が入ったとき・・・

約1300年余りの時代の中で
少しずつカオスの箇所(いのち)は削られ
何のために働くのか、
何のために生きるのかが、
少しずつ少しずつ一義的になっていく・・・
それは、労働が喜びやartから離れ、
明治に限らず、
庶民の暮らしが富国強兵を強いられることを意味する。
実際の人物とはかけ離れたといったら失礼だろうか・・・
かわいらしい女優さんやイケ面の男優さんを採用し
その時代の正当性をTVは流し続ける・・・
基地も原発も安保も
全て根は同じなのである。
「この百年以上、誰もが明治維新こそが日本を近代に導き、
明治維新がなければ日本は植民地化されたはずだと信じ込まされてきた。
公教育がそのように教え込んできたのである。つまり、
明治維新こそは、歴史上、無条件に「正義」であり続けたのだ。
果たして、そうなのか。明治維新の実相を知った上で、
そのように確信したのか。」
歴史の嫌いな方は、
特にこの幕末から明治にかけての混乱が分けがわからないという。
それはそうで、いやな意味で「昨日の敵は今日の友」という
節操のなさが訳をわからなくさせているのだろう。
また、「正直者がバカを見る」ということわざが
地で行ってしまっている時代だからでもある。
その政府ご要人たちが作ったのが
今の学制なのだから苦笑いするほかない。
「日本人は、幕末動乱のドラマが好きである。
ところが、幕末動乱期ほどいい加減な“お話”が
「歴史」としてまかり通っている時代はなく、
虚実入り乱れて薩長土肥(薩摩・長州・土佐・肥前)の
下級武士は永年のヒーローであった。
中でも、中心は長州と薩摩であった。」
私もその公教育で育ったものである。
先日、中学2年の男の子がいった。
「先生、先生は明治維新はあったほうがよかったと思いますか?」
彼らは直感でわかるのだろう・・・脚本化されたドラマが・・・






「るろうに剣心」はジャンプに連載されているときから読んでいた。
最近では映画化されて、先日ではTVでもやっていた。
剣心の最狂の敵・志々雄真実の狂気は
この明治維新という虚構に向けられる。
今の子どもたちは、色々な角度で歴史を知ることが出来る。
大河ドラマで歴史を知った自分たちの時代に比べると実にバランスが良い。
歴史とは、勝者が書いたもの・・・
敗者の中の論理はほぼ消されていることを
私たちは忘れてはいけないだろう。
歴史の教科書もそろそろ変わるべきである。
