ああ、青春の中村屋
当時、お店のおばあちゃんが
「〇〇ちゃん(苗字)、これ持ってき」といって
行くたびにおまけのおつまみをくださいました。
そこは当時から角打ちがあって、
店舗奥でおやじさんたちが酒を飲んでいたり
部活で駐車場を借り切って飲み会をしたこともあります。
牧歌的で
あこがれで
温かくて・・・
本当に素晴らしい酒屋でした。
そこが角打ちをリニューアルしていたことは知っていましたが、
なかなかタイミングが合わずに行けずじまいでした・・・
で、とうとうお訪ねすることができ感無量です。
あっという間に40年前にタイムスリップです。

お店の現おかみさんに事情を説明すると
何と旦那さん(当時20代後半)が出てきてくださって
昔話に花が咲き
何とこんなアルバムまで持ってきてくださいました。
ちょうど私が4年生ぐらいの時です。


当時の大学は、5月に「神輿行列」というのがあって、
各学部各科でそれぞれ神輿を作り
街を練り歩くのです。
神輿は、喧嘩神輿ですから
正門前の広場で
ぐるぐる乱暴に回し、
その技と神輿の出来を審査員にアピールします。
荒ぶった酔っ払い学生のために
道は一車線がまるごと通行止めとなりました。
各科は当時お世話になっている酒屋さんの前を通ると
「わっしょいわっしょい」・・・大きな声で日ごろのお礼を伝え、
その気持ちに応えるようにして
酒屋さんから差し入れが来ることも多かったです。
練り終わると学内の広場で神輿を焼くのですが、
熱のおさまりが付かない若者はときどきもめて、喧嘩が勃発します。
わが科もある科と毎年のようにけんかになり
かなりの騒動になっていました。
それでも大学はこの行事をやめる気配はなく
大学の4年間、まるまるこの神輿祭りがあったのです。
この神輿祭りの起源は全くわかりませんが、
昭和という時代の、この荒々しさへの許容範囲は
本当にすごいものがあります。
ただ、卒業後数年たって
いつの間にかこの神輿祭りはなくなってしまいました。
この中村屋も、すっかり若者の角打ちと雰囲気を変えていましたが、
それでも人が集うあたたかいDNAは今も健在でした。

当時は、勇気がなく参加できなかった角打ち・・・
いまは「ええ年」になって念願の中村屋角打ちに加わることができました。
市内からどんどん酒屋がなくなる昨今・・・
ああ、青春の中村屋です。
いつまでも残っていて欲しいです。

theme : 心、意識、魂、生命、人間の可能性
genre : 心と身体