物忘れ
物忘れに関する文だ。
われわれの年齢になると、
どこかで出ていた女優さんの名前を
「あー、ほれ、あの人・・・あれ、それ、どれ(笑)」
ってな感じで、一向に出てこないことがある・・・
初老を迎えた&近いメンバーで構成されている
宙言や花結びでもよくこんなシーがあって
お互いに笑いあう。
この物忘れ・・・
実は、こういった女優さんや誰かの名前のように
固有名詞の内は物忘れと言わないそうだ。
正真正銘の物忘れは、普通名詞を忘れてしまうときだ。
たとえば、DVDやPC、
トングや付箋・・・
こういった普通名詞を忘れるのを
ほんとうに物忘れというらしい。
しかもこの普通名詞を忘れたときは、
この普通名詞が果たす、存在意義も忘れてしまうらしい・・・
例えば、「鍋」という普通名詞を忘れたら
それが何に使えるかも忘れてしまうというわけだ。
まるで、赤ん坊が言語獲得をしていく過程の逆を行くみたいだ。
忘れていく過程・・・
それはきっと自分にとって
役に立たないもの、印象の薄いものから忘れていくのだろう・・・
皆さんも、今度物忘れが発生したら、
それは固有名詞か、普通名詞か気にかけてください。
普通名詞であれば、それはあなたの人生にとって
役に立たないものか、印象が薄かったものかもしれません。
そうやって、あの世にはできるだけ
最小限の軽い語彙(重さ)で旅立つようだ・・・
それを哀しいことととらえるのか
潔く美しいととらえるのか・・・
これも人によってまちまちだろうが、
わたしは、一抹の寂しさを覚えるが、
どちらかと言えば、後者になりそうだ。
そうやって、老いを美しくとらえるのも悪くない。
私が旅立つ直前まで
存在意義を持ち忘れず抱えている言語とは何だろう・・・
皆さんはどうだろうか・・・
今は想像だにできないが、
とても興味がそそられるお話だった。
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