樹下石上 95・・・日常へ戻りつつ・・・
夏休みの講習・振替も終わり、
塾の風景も日常へと戻っていゆきます・・・
昨日、ある生徒からどうして成人が18歳になるの?
と言われました。
もちろん賛否両論あるかと思いますが、
今の学校の学習内容であれば、
わたしとしては、成人は20歳のままでいいと思っています。
それは、今の学校のしくみや学習内容では
「大人」になるための様々な雑学や考える力が育たないからです。
大学受験、就職試験を控える18歳が
「成人」になる儀式と重なって
もう何が何だかわからないまま
「大人」というレッテルを貼られていくあぶなっかさがあります。
特に大学受験は、1月に行事が集中し、
それどころではないと思います。
もちろん今の20歳でも精神的に幼いということはありますが、
それは、わたしたち世代にもあったことで、
ご家庭の方々も、今のシステムの中で、「それどころではない」時期に
ゆっくりと子供の成長と子育ての達成感に浸れないのは
とても不自然です。
また、出費が重なり、費用の面でとても大変だと思います。
世界では、18歳が主流と言いますが、
18歳成人制度が生まれた経緯は
学生運動などの経緯で生まれたイギリスなどもあり、
日本の場合、一方的に政府から押し付けた形になっていることが気になります。
政府は、若者を早く「成人」にしたいわけがあるのでしょう・・・
それはおそらく、「義務」を課しやすくなる・・・
それに尽きると思います。
「税」「年金」「介護保険」
へたをすると法律改正で「兵役」・・・
そういったものを若く広く課税・徴収・課したい・・・
そういう流れにしたいのだと思います・・・
どこまでも両班気分の政治家たち・・・
人口は減る一方・・・
若者やお年寄りから集め始める・・・
そういう、あまり喜ばしくない事態が
水面下で起きている気がします。
theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体
樹下石上 ①・・・ゴミ収集車
ありがたいことにとても便利にできている。
店のすぐ前に出すと、ゴミ収集車が流しながら
各家庭の玄関先のゴミを拾い上げていってくれる仕組みなので
実に申し訳ないぐらい便利なのだ。
昨日も、遠くからゴミ収集車の音が聞こえてきた。
「あ、ごみの日だった!」
そう気が付いてからでも
十分間に合う。
慌ててゴミを出しに行くと
遠くから元気な声・・・
「先生!」
そう呼び留めてくれたのはゴミ収集してくれている若者・・・
視力が乏しい私は少し目を凝らす・・・
K君だった・・・
「久しぶりです!」
もう、15年ほど前の生徒さん・・・
額に汗がにじんでいた。
思わず、「いつもありがとう!・・・」
しばし、談笑・・・
といっても、相方の運転手はもう30Mほど前を行く・・・
「また来ます!」
そういって彼は小走りに収集車を追いかけていった。
ほんの十数秒ほどの会話だった。
彼が立ち去った後、何ともさわやかな風が流れる・・・
ゴミというのは、それを出す側も扱う側も
人間がいちばん現れる残骸・・・
出すときにだれに向けるともなく
「ありがとうございます」とつぶやく・・・
その時は、出すことに夢中になって
いうのを忘れてしまっていた・・・
「ありがとう・・」
それはゴミに対して・・・
そして集めてくれる人に対して・・・
そして、生活の残骸を人に任せて知らんぷりしないように
自分への戒めのために・・・
ゴミに類似するものに、
飲食店での食事の後の自分のテーブルの様相・・・
そういう「立つ鳥・・・」の残りかすが人間を表す・・・
彼の額を汗を見て、もう一度自戒を込めた。
「いつもありがとうございます・・・」
※樹下石上 (じゅげせきじょう)・・・禅語です。
昔、修行者は樹の下、石の上を好んで座禅の場としました。
さらに、樹の下であろうが、石の上であろうが、
今いるところ、即ち何処にいても、日常すべてが道場という意。
日々、そういった気持ちで筆を握れればと思い
今日から、「樹下石上 」シリーズで書いていきます。
よろしければお付き合いください。
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