「見つめる」と道が拓く
「絶対臥褥(ぜったいがじょく)」というものがありますよ
というお話をさせていただきました。
➡絶対臥褥(ぜったいがじょく)
森田正馬氏の神経症(不安障害)の治療方法に
絶対臥褥(ぜったいがじょく)という方法があります。
入院治療の第一期にあたりますが、
患者さんは終日個室に横になったまま過ごします。
食事、洗面、トイレ以外は一切の気晴らしは禁じられます。
あらかじめ患者さんは「不安や症状は起こるままにしておく」よう
指示されます。
最初の1〜2日は心身の安静が得られますが、
3日〜5日目頃には過去や将来に様々な連想が広がり、
しばしば強い不安や苦悩に襲われるようになります。
この時に不安をそのままに堪え忍んでいると、
悩みが急速に消失することもあり、
これを森田療法では「煩悩即解脱」と呼んでいます。
その後6〜7日目には退屈を感じて心身の活動欲が高まってきます。
これがその後の治療の足がかりとなるのです。
興味がある方は、前ブログをお読みください。
で、その森田正馬さんが、
「良い文章とは」にも言及されています。
まとめるとこうです。
・読みやすく
・分かりやすく
・気持ちよく意味が頭に入ってくる
・抽象的すぎても、饒舌すぎてもいけません
・意味の分量と、文の量が程よく
・釣り合っているのも大切な要素
そして何より、よい文章を書く力は、
「見つめる」習慣から生まれる・・・
そうおっしゃっています。
これには、膝を叩きました。
文章が上手な人は、例外なく、
人を見る人、「見つめる」職業の人だとも言われています・・・
文章の上手下手はさておいて(笑)
わたしも毎日ブログを書くようになって、
より日常を丁寧に見つめるようになりました。
これは事実です。
そして、目の悪い方は、見つめる代わりに聞き入るので
こちらも文章が上手になるそうです。
反対に、「考える」人は、文章がまずい人が多いようです。
見つめる代わりに「考えて」いるからです。
先日、ある有名インフルエンサーの方のYouTubeを見ましたが、
相手を論破することに終始していて
頭が痛くなりました(笑)
きっと正しいことを言っているのでしょうが、
論理(考え)で論破することに終始しているため、
見ていた私の脳が疲れたんだと思います。
乙女座の私のやりがちですので
気を付けないといけません。
森田正馬さんは言っています。
〈考える〉行為は、なぜか実を結ばない。
5分以上考えると、脳が傷むからです。
確かに私の脳は痛み、頭痛に至りました。
(だから、夜寝る前に考え事をしてはいけないのか・・・!)
さらに、こうも続けられています。
反対に、いくら見つめても、脳は傷みません。
傷むどころか澄んでくるのです。

先月伺った旧竹林院は
まさにこの「澄んでくる」感覚でした。
緑を見つめる・・・
実は森田正馬さんの療法で、
絶対臥褥(ぜったいがじょく)の次が、庭の観察です。
草や花、
土の色
集う虫・・・
これらをつくづく眺めさせるのです。
「見つめる」行為がいかに大切か。
迷ったら「見つめる」
悩んでも「見つめる」
苦しいときでも「見つめる」
悲嘆にくれていても「見つめる」
ひたすら「見つめる」・・・
考えるのは 二の次にする・・・
正馬は、自身の臨終の折にも
弟子たちに
「凡人の死をよく見ておきなさい」
そういったそうです。
このデジタルな日常で、
私たちは、見つめる前にすぐにスマホを出して
画像を切り取ろうとする悪い癖があります。
最近の親御さんも
子供の成長を「見つめる」前に
カメラを出してすぐに記録を撮ろうとします。
記録では育たない何かがある・・・
わたしはそう思います。
ひたすら見つめる・・・
私の仕事では、最も大切な行為です。
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秋、処暑のころ⑮・・・赤い感情と青いインク
けっこう書けるもんだなと我ながら意外に思っている。
それでもわたしは自分が筆無精なのか
筆まめなのかわからない。
手作り市「宙結び」をしなければ
このブログも生まれなかったし
そのころは、市に関する以外の深い日常の感情を
ほとんど書くことをしなかった。
かなりアクの強い自分だが
巷の、ただ、感情をただ書きなぐるような
ブログにはしたくなかった。
そういう「赤い感情」(深いダイレクトな感情)は
こころの中で留めておくか
宙の言の葉、花結びや
菩薩行(相談行)のリアルな場で必要なら言うに留めた。
そこでは、「人の噂も・・・」で
文字にならないので、時の流れにゆっくりと消えていった。
最近はそれを書いてみようと思うようになった。
その赤い感情を「青色のインク」で書けないものかと
思うようになった。
文はきっと「人をあらわす」と同時に
人を育てると私は思う。
一年たった頃、どんな境地になっているか楽しみだ。
theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体