夏、芒種のころ⑥・・・教師たるもの、謙虚に生きる
既存の学問の切り売り業にすぎない。
ある人さまが、それこそ寝食を忘れ、
一生をかけ研究された知識、智慧を
これからの世代のためという大義名分をいただき
「授業」とか「セミナー」とかいう形で広めているにすぎない。
いじわるな言い方をすれば
人さまの知恵を
「かすめとり」
まるで自分が研究したかのように
「なりすまし」
そういったいわば、ケチななりわいにすぎないということを
肝に銘じて謙虚に生きるべきだと思う。
だからこそ大切なことがある。
ひとつは、
最先端の知識や
学界からは干されてしまった有益な知識を
掘り起こし、学ぶこと、学び続けること・・・
もう一つは
感性をさび付かせず、
それらを自分のからだや経験で実証する癖を持つこと・・・
この二つを日々心がけて生きないと
単なる権力型いんちき教師となってしまう。
「今ある知識はこうだ!
で、いま、あなたはいったい何をしている?」
この問いを厳しく持っていないといけない。
そして、いま教科書に載っている知識はすべて
あくまでも仮説であるという事実を常に背後に持ちつつ
ああいう説もある、こういう説もあると
子供たちに、未知で、未完の知恵の種を植えておかねばならない。
それが、ケチな私ができる
せめてもの貢献というものだろう。
本当にやめてほしいと願う。
(せめて軽減してほしい)
人からかすめとった知恵、知識をつかい
人を評価する(通知表とか)ことで上に立とうとすることを・・・
(これは、上級学校に行くためにだけのシステムにすぎない)
また、
既存の学問の知恵や知識の切り売り・又貸しにすぎないのに
それに対して、高額なセミナーや授業料を設定することを・・・
スピリチュアリストは、
人やテキストから学ぶのではなく、
土や鉱物から学ぶべきだし・・・
教師は、
汗を流して野菜を育てることから
子どもを知るべきなのだ。
この二つを一生かけて実に楽しそうに実践した人物が
宮沢賢治ではないかと思う。

(影絵:藤城清治 「銀河鉄道の夜」)
宙言やこのブログでも少し紹介していますが、
次回は、私が感じる宮沢賢治に触れてみたいと思う。
theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体
夏、小満のころ①・・・吾ただ足るを知る
あまり耳慣れない節気です。
どんな時期なのでしょう・・・
小満・・・陽気が良くなって、万物の成長する気が次第に長じて天地に満ち始めることから小満といわれています。
ようやく暑さも加わり、麦の穂が育ち、山野の草木が実をつけ始め、紅花が盛んに咲き乱れます。
梅の実がなり、西日本では、走り梅雨がみられる頃。田植えの準備を始める頃でもあります。
走り梅雨
本格的な梅雨に入る前のぐずつく天候のこと。通常は、この後晴れた日が続き、その後本格的な梅雨に入ります。
「梅雨の走り」ともいいます。
日本の季節は、本当に美しい言葉がたくさんありますね。
さて、高校のソフトボールまでお話いたしました。
高校の最終成績は
たしか愛知県のベスト16か8。
県大会は、かなりの強豪揃い。
さいごに当たったS高校には
完全な力不足でしたが、
一回戦ガールだった私たち・・・
当時たぶん99校いる中の最終成績だったので
よくやったと晴れ晴れとした気持ちで自分たちを誉めました。
さいごの対戦相手のS高校は結局3位だったと思いますが、
木陰のミーティングが、私たちの横で行われていました。
突然、怒号とともに
「ビリッ ビリッ!!」
何かを破る音が聞こえました。
なんとその監督は生徒の前で
その3位の賞状を破っていました。
「こんなものはいらん!」
この監督は3位では不服だったのでしょう・・・
別の高校のこととはいえ、これには
ひとりの生徒として怒りさえ覚えました。
実はこの高校・・・中3の時に
ソフトボールの推薦の声をかけていただいた高校で
実際に練習にも行かせていただいたチームの監督でした。
結局私は、普通に受験をして
一回戦ガールからスタートすることになったのですが、
さいごに戦ったのがそのS高校・・・
そして、引退試合後にそのシーンを見たという巡り合わせ・・・
人生の、運命の歯車とは
じつに不思議だと思いました。
「もしあそこにいたら
ああいう終わり方だったんだ・・・」
最後の試合、あんなふうに賞状を破られるか・・・
賞状はなくとも、晴れ晴れと誇りをもって引退できるか・・・
わたしにとっては、まったく雲泥の差です。
最終試合にどんな価値を持つかは生徒のものではないか・・・
賞状を破られたあの子たちはどんな気持ちだろう・・・
すでに教師を目指していた高校3年生の秋、
あんな指導者にはならない・・・!
ひそかに心にとどめていたことを今もはっきりと覚えています。
そして、そんないやな場面も
教師を目指すわたしに、
神様が「見ておきなさい」と示してくれたのではないか・・・。
「小満」とは、欲を小さく、満足する心を養う・・・
そんな字にも見えます。
やがて訪れる実りの秋を前に
そういう心を養う時期なのかもしれません。
万物の成長する気が次第に長じて天地に満ち始める・・・
そういう時期だからこそ
日々を祝い、いま生かされていることに感謝する・・・
「吾ただ足るを知る」・・・

要は、「調子に乗るな!」
そういうことになります。
どこにも書いていませんが
「小満」の候、そういうことに気を付けて過ごしたいと思います(笑)
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