令和buzz332・・・本物の中庸になるために
自己肯定感について語り合った。
自分に自信がない・・・
ひとりでいられる人がうらやましい・・・
そういう人になりたい・・・
人の好き嫌いがはっきりとしていることはいいことなのか・・・
そう彼女らは言った。
私はこんな話をした。
自分を信頼すること、
自分がいいと思うこと、
嫌と思うことに自信を持つこと・・・
自分の中の価値観の振り子を十分に振らせること・・・
思う存分振らせること・・・
若いときはそうでなければ、
年をとった時に本当の中庸に出会えない。
嫌いなものを嫌いと言い
好きなものを好きと言い
それを言う自分を信用すること・・・
アイデンティティはそうでないと育たない。
自分自身を作り上げていく時
平均点などいりません。
突出して有る何か
突出して無い何か
それがあるからこそその人はその人になれるのです。
やがて年をとっていくと
そこまでとがらなくても
自然と自分を出せるし
その自分を周りも認めてくれる・・・
余談だが、おやじのくしゃみは
なぜああも不快になるほど大きいのか?
それは、単にデリカシーがないか、
それでしか自己表現と突出の仕方を
知らないからではないだろうか?
(ただし、のどの筋力の衰退説はあるが・・・)
若い人たちは自分の嗜好や好みに自信を持っていい。
人に合わせる必要など一ミリもいらない。
無理に媚びたって
エネルギーが奪われるだけで
何にもいいことなんて起きない・・・
わかってもらえないときもあろう。
おかしいといわれることもあろう。
それでも一気に突き抜ければいい・・・
あんなに気にしていた人の目は
やがて結果として、
同じその目から羨望を受けることになる・・・
(もちろんそれを狙うわけではない)
思想家のラルフ・ウォルドー・エマーソンは言う。
「自分を信頼すること。
それこそが成功の秘訣である。」
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春、春分のころ⑦・・・それでもだめなときに(2)
市内の高校すべてを回って、
あらかじめ生徒から聞いていた受験番号を確かめに行くというものでした。
彼女の高校は2番目・・・
当時朝の10:00から掲示板が運ばれ発表でした。
ご経験者の方はおわかりでしょうが、
その時の緊張感と、合否それぞれの明暗は
言葉に尽くしがたいものがあります。
合格した者の爆発したような歓喜と躍動・・・
その人込みに中、ポツンポツンと不合格者の姿がまぎれている・・・
最近わたしは思うのですが、
受験の風景としてこれほど残酷なものはないでしょう・・・
そろそろこういうやりかたはやめて
単に郵送でいいのではとも思います。
受験の風物詩などとのんびり言えるのは
それをネタにしたいマスコミ関係者か
合格者の言い分だからです。
勝てば官軍・・・
弱肉強食・・・
現に私立は郵送なのですから、
こういうやり方が本当にいい方法なのか
関係者は考える時期に来ていると思います。
この方法を取ることで
かれらの何かが育つのか・・・
もちろん、その逆境をばねに高校で奮起するものもいるでしょう・・・
それでも、大きな優越感と有頂天・・・
そして、どん底の挫折感と絶望・・・
この対極をわざわざ人前で見せることに意味があるとは思えません。
さて、話を戻しましょう・・・
一番目の高校の合否を確認して
彼女の高校へ到着したのは10:30を過ぎていたでしょうか・・・
名簿を手に握りしめ、
掲示板の方へ小走りに向かいます。
そこに・・・
なんと・・・
彼女がポツンと佇んでいるではありませんか!
合格発表からすでに30分以上もたって
もう人込みはどこにもありません。
歓喜の中、合格者は、校舎の中へ
不合格者は、自らの存在を消すように
重く立ち去っていくしかありません。
それほどのつらい状況の中
彼女は掲示板の前でずっと待っていてくれたのです。
「先生、ダメでした・・・」
私を待っている間、すでに泣き明かした彼女の眼は
真っ赤にうるんでいました・・・
なんと・・・
「待っとってくれたん・・・」
私はやっとのことで言葉にできました。
「先生には伝えなきゃって・・・」
思わず抱きしめました・・・
つらかったのにごめんな・・・
ありがとう・・・
なんという子でしょう・・・
自分が一番つらいのに、
そんなところで待っているのは
本当にさぞつらかったでしょうに・・・
それでも彼女は大切な何かを守るように
ぐっとかみしめるように待っていたのです。
大切な何か・・・
それは、信頼を成就すること・・・
自分が続けた信念にきちんと終わりの石を置くこと・・・
彼女は、とてつもなくつらいその空間で
二の足でしっかりと立って
その大切なことをやり遂げていたのです。
圧巻でした・・・
そんな彼女も、今は二児の母・・・
私のカフェにも幾度となく訪れてくれていました。
今は少し遠方で暮らしていますが、
年賀状で笑顔を送ってくれています。
彼女の子供たちが受験を迎えた時
彼女の存在が伝えられることは
とても奥の深い、慈悲に満ち溢れたものになるに違いありません。
連綿と続く「いのち」に
順送りの役割があるとすれば
それはこういうことを言うのではないかと思うのです。
いつまでも彼女とご家族の幸せを祈りたいです・・・
theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体