【占星術】 リリスの申し子「伊藤野枝」と「甘粕事件」(後編)
【占星術】 リリスの申し子「伊藤野枝」と「甘粕事件」(前編)の続きです。
昨日はすべて動画編集できませんでしたが、
やっと完成しました。
2本で30分近い動画になってしまいました。
今回は甘粕と野枝のホロスコープでも
お話を進めました。
甘粕事件の要因は、
甘粕正彦の長年積み上がった劣等感が
下地に合ったように思えます。
甘粕は、殺害の動機をアナキストが
「国を転覆させるというイデオロギーを危険視して」という
言い訳を語っていますが、
いえいえ、意外に事はシンプルだと思います。
人を殺すほどの怒りの発端は、
自分自身の中にある劣等感以外何者でもありません。
甘粕の月の欠損は獅子座I willです。
誰かの指示でしか動けないことを
甘粕自身一番よく知っていたのではないでしょうか?
自由に恋愛をし、
自由に考え、自由に行動する大杉や野枝を
羨ましく思っていたことでしょう・・・
そして、その劣等感に毒されたリリス乙女座の「義務」が
暴虐と服従の両面をもって牙をむいたのです。
甘粕の太陽は水瓶でしたが、
その太陽はリリスによって
死ぬ直前まで開花できない蹂躙を受けていたのです。
連日となりましたが、
よろしければご覧ください。
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【占星術】リリスの申し子、伊藤野枝と甘粕事件
革命さえ起こせる・・・
そう先日の動画でお話しました。
そのいい事例がないかと思っていたところに、
まさに、リリトの申し子的存在に出会いました。
ふと、TVをつけると、
ものすごい女性が画面に映ったのです。


伊藤野枝・・・
明治~大正期、平塚らいてうとともに、
我が国初の婦人月刊誌「青踏」を盛り上げた人物です。
彼女ほど壮絶でリリト的人生を送った女性は
そうそういないのではないでしょうか。
享年28才・・・
「吹けよ、あれよ、風よ、嵐よ」
彼女は放ったとおりの人生でした。
17歳の時、無理やりさせられた婚家から逃亡後、
二人の男性と関係を持ち、7人の子供の母にもなります。
最後は、憲兵甘粕正彦によって、拷問、横死を遂げる・・・
いわゆる、甘粕事件です。
彼女の生まれた日、
リリスは、太陽とともに南中を迎えます。
太陽、水瓶座 自由
リリス、山羊座 支配
この対照的な星を宿命に
彼女は生まれます。
その時代の国の常識は 良妻賢母。
それを強いる国と世間・・・
その常識に強烈な拒否を示した彼女でした。
彼女は、水瓶座らしく「自由」を愛します。
しかし、生ぬるい自由ではなく、
熱く、激しい自由です。
リリス山羊が強制してくる国の母、良妻賢母に
幼い頃から疑問を持ち、青年期、青踏時代は
強烈な拒絶を表し、
それを文や声にして世に発信し続けます。
が、愛人のアナキスト大杉栄とともに
常に甘粕ら憲兵に睨まれ続ける日々が続きます。
いくら、リリスの申し子であっても、
実は彼女には、天空的に引き際がありました・・・
1914年、天空のリリスが、
山羊座を抜け、牡羊座にはいったとき、
社会的な役目を一旦終えるべきだったのです。
なぜなら、牡羊座は、
自分対自分の世界で力を発揮する星座だからです。
社会に影響を及ぼす時代を
一旦小休止すべきだったのに、
それどころか彼女はますます激しくなっていきます。
振り替えれば、
雑誌「青踏」が生まれた1911年、
天空のリリスは、射手座に入ります。
対社会(射手座)に挑もうとするリリスに
天空が力を貸してくれる時代の幕開けです。
「青鞜」も世に出るべくして出たのです。
しかし、野枝が「青踏」を引き継いだ1915年、
リリスはすでに牡羊座を抜け、牡牛座に入っていったのです。
牡牛座は裏目に出ると、所有欲が出ます。
一度勝ち取った女性解放運動者という地位や男、
青踏編集長という立場を、
野枝は手放すことができなかったのでしょう・・・
しかも、大杉との関係も明るみになり、
欲を止められず、深みにはまっていきます・・・(1916年)
大杉の前からの恋人、青鞜の神近市子は
自分を捨てた大杉を刃物で刺す日陰茶屋事件を起こし入獄・・・
この年、「青踏」は休刊を余儀なくされます。
野枝は次第に青踏に対する情熱が薄れ、
大杉とともに混乱の方へ走っていきます。
天空とは残酷なものです。
その時期すでに、リリスは蟹座に達しているのです。
天は、すでに野枝と青鞜の役目に引導を渡していたわけです。
もう、5年前青鞜が発刊されたリリス射手座ではないのです。
野枝も青鞜も天に見放され始めます。
野枝はこのとき、リリス蟹座時代らしく、
自分の足元を見つめるべきだったかも知れません。
しかし、彼女にはそれができようがない。
もって生まれた彼女の宿命が
支配欲 山羊座リリスへの強烈な拒絶と
太陽 水瓶の自由の謳歌が
彼女の今世の役目であり喜びだったからです。
射手座、山羊座、水瓶座、魚座は、社会と自分の世界・・・
牡羊座から蟹座までは自分対自分の世界・・・
目まぐるしく変わるリリスの気分・・・
この世の誰一人天の采配には逆らえません。
天の流れは、
火地風水をきちんと踏んでいく・・・
火 射手座(1911年)
地 山羊座
風 水瓶座
水 魚座
火 牡羊座(1914年)
地 牡牛座
風 双子座
水 蟹座
野枝は、二週目の火地風水に乗り遅れたのです・・・
リリスが二週目の水、つまり蟹座になっても
まだ、古い一周目の山羊座リリスと戦っていた・・・
それが、彼女の命を縮めたのでしょう・・・
そして、運命の日、1923年9月16日、
リリスは4周目の火地風水に突入します。
1914年以来、9年ぶりにリリスは牡羊座に入ります。
同時に、天空の太陽が
甘粕の獅子座の月(劣等感)を横切り、
さらに、甘粕の乙女座リリスのハウスにやって来ます。
甘粕の乙女座リリスと獅子座の月が
天空の太陽乙女座に刺激を受けます。
「原始、女性は実に太陽であつた」
平塚らいてうの言うこの太陽が
皮肉にも起爆剤になってしまうのです。
たまりかねて、甘粕の乙女座リリスの劣等感が炸裂します。
しかも、甘粕の月星座獅子は、エレメント火・・・
その日の天空のリリスは、同じ火の牡羊座です。
互いに暴挙の方へ刺激を受けます。
甘粕の 実働部隊 獅子座の月が、
天空の司令塔 牡羊座リリスの命を受けます。
偶然とは思えないほどの悪縁・・・
リリスは強烈な劣等感とも関係が深いです。
月の比ではありません。
これは私の想像ですが、
憲兵に過ぎない甘粕は、
藩士だった親や軍人の親戚たちの対して
かなりの劣等感を持っていたのではと思います。
現に、陸軍の歩兵から憲兵への転科は膝の怪我が理由だそうで、
彼にとっては一種挫折だったはずです。
甘粕の場合、それが乙女座的義務リリスとして
現れていたと思います。
当時は、男子たるもの、国への義務が美学・・・
地位の高さが義務の優劣につながると
当時の男子が思っても致し方ありません。
甘粕は、国への義務を
アナキスト連行という「手柄」で認めてもらおうと、
焦り、歪んで、発露したのだと思います。
しかも
あのリリスですから、
暴虐という形で出た・・・
それが、同時代の野枝や大杉らへの拷問、殺人という形で
出てしまったのでしょう。
(正確には、一緒に連行した大杉の甥6才も含めて3人殺害)
あんな時代でなければ、
野枝も甘粕も、おたがい太陽水瓶座として
もっと「自由・博愛」を楽しめたかもしれません。
伊藤野枝という一人の女性と甘粕事件・・・
女性解放という歴史的功績と恐ろしい事件の対極・・・
これほど、リリスの特質が顕著に出た
時代の一幕も珍しいのではないでしょうか・・・
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