茶の湯「濃茶」

花結びで「利休に帰れ」を読んでいる私たち・・・
![]() | 利休に帰れ―いま茶の心を問う (2010/02/15) 立花 大亀 商品詳細を見る |
大亀和尚のお話に「濃茶」が出てきまして
興味を持ったわれわれにTさんが振舞ってくださいました。
昨年は薄茶でしたが今回は「濃茶」・・・
「濃茶」とは、かなり濃い目のお茶を人数分一つの「楽」(茶碗)につくり
回して一口ずつ飲んでいく作法です。

お菓子もご用意していただきました。

初夏にふさわしい・・・
美しいお菓子です・・・
季節を迎えに行く・・・
それをお客さんたちに愉しんでもらう・・・
これも茶の湯の心だそうです。
一人、茶杓3杯ぐらいの量ですがらかなりの量です。

それを練るように点てていきます。

楽もふくろうなら、ピヨさんが用意してくれたお菓子もふくろう・・・

茶の湯の席ではこういったことが「優しい話題」になるんでしょうね。

点てたお茶は、とろっとしています。

一服頂いては、懐紙で拭き、90度まわして楽の正面を向けてお渡しします。
正面のふくろうさん・・・


最後は飲み終わった茶碗の筋を愉しみます。
黒と緑・・・
利休の愛した色です。
茶の湯には作法があります。
しかし、その作法はとても細かく、素人目には一見面倒にうつります。
ただ、その真意は「相手を思いやる心」です。
その結果生まれた形です。
作法が先にできたわけではなく、
相手のことを考える「優しさ」が「美」として集約されたのです。
本を読みながら、今回の「濃茶」をいただきながら
「利休の心」というのはそこにあるのだと思いました。
さりげないが、ひけらかしてはいないが、
これが精一杯のおもてなしですと、自分をさらけ出し
確かに「伝えようとする」覚悟といさぎよさがあります。
見られているから「する」・・・
評価を受けそうだから「する」・・・
そんな汚れは一点も入っていません。
伝わるか伝わらないか・・・それも大したことではない・・・
「私はこう思います」と
平常心で、でも堂々と自分の思いを伝える・・・
もちろん伝われば、ともに共有しあう・・・
・・・なお嬉し・・・
「今此時ぞ天に抛(いまこのときぞ てんになげうつ)」
利休の辞世の句の最後です。
「今、天にこの身を放つ」・・・
明日から・・・
今日から・・・
ではぬるい・・・
この一点の気持ちを点てる覚悟・・・
瞬間瞬間持っていたいです。
夕方、ふと足元を見れば・・・
・・・花はいつもそうしていました


