青いロードマップ「楽③愚者」
※青いロードマップの概略はこちら➡人生「喜怒哀楽」論✖「7年周期」論
(2021.5.21修正加筆)
長い旅路をお付き合いいただきありがとうございます。
いよいよ最終ステージ・・・
楽の3番目、「愚者」の時代です。
年齢的には、78~84歳(それ以上)・・・
ここが本当のアガリです。

第三の結合・・・この世の自分とあの世の自分
第三の成功・・・本当のアガリ
あの孔子ですら、「80にして・・・」は言及していない領域です。
70にして己の欲する所に従った(従心)旅人が
最後に従うのは何だろうか・・・
まぎれもなく天命だろう。
抗わず、かといって流されず
存在そのものがすでに気付きと癒しとなるいのち・・・
まるで、最初のステージの
「無垢」へと還っていくようである。
「愚者」がいかに大切な存在なのかは、
全世界の「道化」の文化を見ればよくわかる。
「愚者」とは本当の愚かな者ではなく
「道化」としての達観の境地である。
道化とは、バカではないのにバカのふりをすることである。
古今東西どこの国にも道化の文化や神話がある。
なぜそうなのか?
それは、道化こそが、
われわれが最後にたどりついた方がいい境地だからだ。
また、道化の面の民族文化がどこの国にもある。
西洋では、ピエロ
日本では、狂言、岡目、ひょっとこ
かのチャップリンが、どうして喜劇王になっているのか。
それは、バカに見えて、バカではないからだ。
本当のバカは、
自慢や虚栄に満ちているのでほっておかれる。
本物の道化を見ていると
笑いながら、ジンワリ涙が出るのだ。
チャップリンは間違いなく人生の核心を知っていた。
チャップリンのセリフ、演技が
見る人の人生と重なるからだ。
だから世界中の庶民に愛されたのだ。
繰り返すが、
道化はバカではない。
むしろ、人生の悲しみ、苦しみ
人間にはどうしようもない苛立ち・・・
これらをすべて笑いに変えられる凄腕を持っている。
落語の中にはそういった
道化的な長屋の登場人物がたくさん出てくる。
どこか間抜けで どうしようもないが
どうも ほおっておけない。
ほおっておけないばかりでなく、
むしろ、真髄をついていて
笑いながら うならされる。
そして、この身分の低い道化が
身分の高いお殿様や武士、そして長屋の大家を
すっとぼけながらぎゃふんといわせていく・・・
笑いを伝えるのが人生では一番難しい・・・
特に、本当に苦しい中での笑いは「技」である。
この「愚者」の時代は、
まさにこういった質のいい喜劇王として
人々を励まし、癒していくのだ。
だから、愚者は偉大なのだ。
昨今の世の中は、この「愚者」になりにくい世の中だ。
後期高齢者とかいって
邪魔者扱いするからだ。
誰もがいく道をどうしてこうも
笑えない世界にしていくのか・・・
はじめに身に付けたペルソナを
道化の面に変えることができるのか・・・
はたまた、すでに面などかぶらなくても
「道化」の境地で生きられるのか・・・
若輩者の私には定かではないが、
中年の皆さんはぜひこの「愚者」を目指してほしい・・・
私ももちろん目指そうと思う。
「天下の事、万変(まんべん)と雖(いえど)も吾が之に応ずる所以は喜怒哀楽の四者を出でず」 王陽明
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