令和buzz18・・・10代でしておく大切なこと⑤
①ひとりぼっちを体験しておくこと
②自分のからだを移動させる
③本物に触れる
④土のある生活をする
今日は、5回目です。
10代でしておく大切なこと・・・⑤
「本を読む。言葉を集める。」です。
これはもう、きっとだれも異論はないと思います。
ネット、SNSの時代でもこれは変わりません。
しかも10代となると、言わずもがなです。
ちなみに、ネットやSNSの言葉と本の言葉は
重なるところもあれば、雲泥の差もあるので
そこのところはまた機会があれば記事にしたいと思います。
私たちが一生の間で出会える人はきっと有限でしょう。
しかし、その有限さをカバーするのが本です。
本を読むことで、出会いの疑似体験をします。
作者や登場人物の中には実に様々、
信じられない人がたくさんいます。
やっぱりそうかーと模範解答をいただくこともあります。
本を読むことで、その人たちとの疑似会話が始まります。
そんな考えがあるんだ・・・
自分は違う!
こんな人になりたいな・・・
この人は好きだけど
この人は肌に合わないな…
生の人間と会うことはとても大切ですが、
一方、面と向かってはっきりとものを言えないときもあるので
実際のお付き合いは大変です・・・
でも、本の中であれば、
そんな賛否両論の意見交換が、
心の中でズバズバ言えます。
ちなみに読む本のジャンルは何でもいいと思います。
小説が肌に合う人もいれば
自己啓発タイプが合う人もいるでしょう・・・
なんでもいいです。
そして、読書には
もう一つ大切な効果があります。
それは語彙力が増すことです。
語彙力が増すとなぜいいのか・・・
それは、自問自答の質が高まり
思考が深まるということです。
うちの生徒たちで、
「先生、私、語彙力が増したってお母さんに言われたよ」
「作文書いて、自分でも語彙力増したと思うわ・・・」
「擬音語、擬態語が減って、お母さんと会話になってきた」
こういった生徒がたくさんいます。
一番最後はちょっと笑えました。
いつも 擬音語で話していたのか(笑)・・・と。
こういった現象は、私との会話をとおして
作文を書き、添削をされ、清書をしたときに起きます。
作文と会話を通して
語彙力が増し、思考を深めることができ、
再び客観的にその文を読んでいるからです。
ここで10代にやってほしい読書法があります。
素晴らしい言葉、自分に響いた言葉を
ノートに写しながら読むのです。
一冊読み終えるのにとても時間がかかります。
速読がはやる時代に、何を!?
と思われる方もいるかもしれませんが、
書写はりっぱな学習方法です。
作家の浅田次郎さんは、作家を志してから、
文章力をつけるため学ぶために
小説をひたすら書き写したそうです。
また、心理学(認知心理学)では「プライミング効果」というものがあります。
先行して行った作業というのは
知らず知らずに後の自分自身の行動に
影響を与えるというエビデンスです。
このエビデンスのように
初めは全く欠けなかった作文でも
模範的作文を書いて写してもらいます。
写すことで、一行もかけなかった作文が、
一行、また一行と書ける範囲が増えていきます。
そうやって作文のレベルが上がると、
面接の効果が上がったり
日頃の思考が深まっていきます。
そして、再び作文の力が付いてくる・・・
このサイクルで、生徒たちは
螺旋階段を上るように思考力を増していきます。
これは、私自身 長年の経験で立証されています。
つまり、
10代のころの書き写す読書は、思考力を培い、
その後の人生をかなり豊かにするということです。
私自身、1980年代に加藤諦三さんの本を
ノートに書き写しながら読んだことを思い出します。
また、この本も言葉を拾いながら読みました。
本当に衝撃的でした。
自分や周りの人間の心を
丸裸にさせられる衝撃でした。
その分、人間とは何か、自分とは何かという
深みの一部が身についた気持ちになりました。
寺山修司は、「書を捨てよ、町へ出よう」と言いましたが、
それは当時、日米安保条約やベトナム戦争をめぐって
学生運動が盛んだった時期なので、
大学で学ぶ学問の力が信じられなくなって時代でもあったのです。
また、それほど当時の若者は、
本を読んでいたことの裏返しでしょう。
時代も変わりました。
今の若者が、本も読まずに町へ出たら
やれプチ整形だの、やれ一緒に金もうけだの・・・と
ハンドルを失った人工の恍惚感だけを
味わうことになりかねません。
若者よ、
「書を読め、軸を持て、そして青空を歩け」
歯衣なし宣言0119

theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体
