十和田湖の青
一度も足を運んだことがない・・・
地図は憧れを育む。
わたしにとってその一つが十和田湖だった。

神秘的・・・
勝手にそう思っていた・・・
予想どおり青くきれいな湖・・・
それよりも予想外だったのは、
とおく八甲田山の峰々が見えたこと。
青の向こうに八甲田山・・・
青で神秘の正体はそれだった。

「八甲田雪中行軍遭難事件」(1902年)
210名中199名が死亡(うち6名は救出後死亡)・・・
この事件を小説にしたのは新田次郎・・・
日露戦争のための訓練・・・
新田はもう一人の与謝野晶子ではないか・・・
「君死に給うことなかれ」
わたしに言わせれば、たかが戦争訓練のたために
なぜ前途ある若者がかくも死なねばならぬのか・・・
これからの戦争や訓練、各国のリーダーは
やりたければ勝手にコントローラー片手に画面上で
ゲームとしてやってほしい。
eスポーツで十分だ。
大人のけんかを、いつまでいのちをかけてやっているのだ・・・
時のリーダーは、いろいろと言い訳をして
戦争の必然を説く・・・
いつの時代も同じだ。
そしていつも うそばっかりだ。
十和田湖の向こうに八甲田が見えた時の
あの締め付けられるような青い悲しみは
今かえって十和田湖の美しさとなって私たちに問いかける。

いつまで戦うつもりですかと・・・
