樹下石上 62・・・超危険な!自民「改憲4項目」
「緊急事態条項の新設」については「ステルス作戦」を実行している。
憲法9条に衆目の関心を引き寄せ、事実、
多くの労組、民主勢力は「9条改悪阻止」に全力を投入している。
しかし、「緊急事態条項 新設」の危険性は焦点化されていない。
・・・・・・・・・・・・・永井幸寿弁護士
わたしが、よく上げる自民党改憲案は2012年版ですが、
➡憲法より上!?緊急事態条項
この参院選にむけて 2018年3月25日、自民党大会において、
改憲4項目という修正を加えている。
「9条への自衛隊明記」
「緊急事態条項創設」
「参院選『合区』解消」
「教育の充実」の4項目からなる
「改憲たたき台素案」が条文の形で発表された。
➡自民党大会】「改憲4項目」条文素案全文
先に要約すれば、
「災害」をダシにして、
いつでも集団的自衛権の行使を可能にし、
政令を憲法より上にすることで
いつでも独裁体制を始められ、
いつまでも独裁を終わらせられないようにし、
いつのまにが「戦争放棄」をなかったことにし、
お金を出す代わりに、
子どもの学びの自由を奪い
GDPに貢献させる学徒出陣を行い
一票の格差は、合憲であると宣言する・・・
そういう内容になっています。

これらは一見すると、
2012年版より柔らかくしている部分があるので
危機は和らいだのかな、と思いきや
根本的考え方は、全く変わっていないだけでなく
憲法条文に慣れない国民を言葉巧みに
巧妙に和らげて、騙し、本質を隠している意味で
さらに悪質になっている。
以前の案でも、9条の改定を隠れ蓑にして
緊急事態条項が本丸だったのだが、
今回の改憲4項目については
以前よりさらに恐ろしい内容が盛り込まれていた。
選挙前の、今年の憲法記念日に
憲法論議がやたらと静かだったのは、
そういうことだったのだ。
私も今日知って、とてもびっくりしたのですが、
改憲4項目の緊急事態条項は、
さらに悪質になっている。
緊急事態の宣言や解除に
何ら制限を設けないものになっており、
独裁が、何となく始まって、
いつまでも続いてしまうということだ・・・
この4項目は、前川さんも言及しているので
どうか、少しの時間でいいので見ていただきたいと思います。
1:16:00ぐらいから・・・
最後に、弁護士の伊藤真さんの言葉を載せます。
4項目に関する個別の議論をする前に、
まず、前提として理解しておかなければならないのは、
自民党が2012年に発表した「自民党憲法改正草案」は
現在も取り下げられてはいないということです。
つまり、自民党から提案される改憲案というのは、
あくまでも、あの「自民党憲法改正草案」の発想や考え方を基にしながら、
「現実的な改憲のやりやすさ」を考慮して出てきたものであって、
その理念や方向性はまったく変わっていません。
ですから、私たちはこうして個別に示された改憲案の意味についても、
2012年の「自民党憲法改正草案」を貫く理念や方向性の中で理解する必要がある。
これが、すべての議論の出発点であり大前提なんですね。
それでは、2012年に発表された「自民党憲法改正草案」の
特徴とは何なのかということですが、
これは一言で言えば
「今の憲法の基本原理のすべてを後退させる」
という方向性です。
「個人主義」よりも「国家主義」が優先され、
「天賦人権論」や「平和主義」など、
現行憲法を支える基本理念がすべての面で後退しています。
また、それ以前の問題として
「憲法は国家権力を拘束するもの」だという
立憲主義の本質を理解していない人たちが、
あの憲法改正草案を作っていることが大きな問題です。
安倍首相自身の過去の発言から見える改憲案は、
「憲法とは国の理想やあるべき姿を示すものだ」
という立憲主義とは、明らかに異なる憲法観に
基づいた改憲案だと言っていいでしょう。
theme : 気付き・・・そして学び
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