冬、小寒のころ⑩・・・くまモン
衝撃的なゆるキャラに出会った。
それが、「バリィさん」・・・

(ウキペディアより)
こんなセンスのいい可愛いキャラがあるんだと
道後温泉近くのお土産物屋でいくつか買い求めた。
ご当地キャラというが
本当にご当地で出会ったわけだ。
その年の秋、ゆるキャラグランプリというのが
彦根で開催されると知った。
近い!
わたしとピヨさんは、本物のバリィさんに是非会いたくて
そのゆるキャラまつり会場に足を運んだ。
実は、はじめてバリィさんに出会った2011年、
第二回ゆるキャラグランプリで
くまモンとバリィさんは ともに熾烈な1位争いを繰り広げていた。
私も毎日、バリィさんに投票していた。
だが、残念・・・バリィさんは2位だった。
惜しくもくまモンに敗れたのだった。
24000票ほどの差がついた。
(第三回ゆるキャラグランプリでバリィさんは1位)
じつは、2011年のこの結果を
わたしは、ある意味で納得していた。
それは、ゆるキャラ祭り会場で実際に
バリィさんとくまモンに会ったことでわかったことがあったからだ。
それは、キャラそのものの可愛さは、まったくの互角・・・
なのに何かが違っていたのだ・・・
それは、そのゆるキャラを派遣・運営する人間側の事情だ。
昨日ふいに付けたTV『プロフェッショナル 仕事の流儀』に
出ていたくまモンを見て改めてそのことを再認識した。

くまもんは、公務員だ。
熊本県の「営業部長兼しあわせ部長」という肩書を持つ。
公務員でありながら、
あそこまで徹底したサービス精神を持つゆるキャラと
それを許す運営側はないんではないかと思うのだ。
実は、バリィさんももちろん可愛いのだが
2011年、実際に会いに行くと何か違和感を覚えた。
おつきのスタッフ(製作者関係)の方が
何となく必要以上にバリィさんを守っているようだった。
もちろん子供たちも大人たちも、
それなりにマナーは守っているのだが
スタッフが作る見えない壁があったのだ。
「その壁の中でなら楽しんでいいですよ」と言わんばかりの
スタッフの対応で、そばにいた制作者のお姉さんは実に怖かった(笑)
そんな状況の中、なかなかお近づきになれなかったわけだ。
おそらく、バリィさんにべたべた触ると 手垢で汚れるとか
(きれいな黄色だから)
着ぐるみに附属しているいろいろなグッズの破損を気にしていると思うのだが
(実際、バリィさんは、財布やら王冠やら腹巻やらいろいろとついている)
その見えないバリアに、どこか興ざめしたのを覚えている。
たしかにくまモンは「黒」で汚れが目立たないし
附属のグッズも一切ない。
おまけに、かなり動けるように設計されているので
気軽に握手したり、ハグしたりと
コミュニケーションが豊かになる。
ただ、そのことだけが
2011年ゆるキャラグランプリの差になったわけではないと思う。
くまモンは、著作権フリーなのだ。
もちろん、熊本県のPRや県産物のPR促進につながる場合という
条件はあるが、いまやにもいたるところに
くまモングッズは置かれている。
そして、くまモンには心も著作権フリーなのだ。
TVでも垣間見れたが
たった数十メートルの移動でも5分ほどかける。
それは、出会う住民や子どもたちと握手したり、ハグしたりするからだ。
2011年、ゆるキャラ祭りの会場のくまモンもまさにそうだった。
くまモンは、そういう時間を何よりも大切にする。
この運営上の著作権フリーと くまモンの垣根のないホスピタリティが
彼を世界へとはばたかせている要因だと思う。
(海外でも大人気)
なんでも著作権フリーにすればいいとは決して思わないが
著作権が作る こころの硬さ、こわばりは
彼らが登場するイベントで思わぬところでお客に伝わってしまう。
一方、著作権フリーが生み出す心の柔らかさは
知らず知らずのうちに、半径数十メートルにわたって
あっという間に、人々を笑顔に変えてしまうパワーがある。
そのことを、昨日のくまモンを見ていて改めて思った。
くまモンは、商品でもなく、販売促進の客寄せパンダでもなく
正真正銘「ひと」なのだ。
しかも、底抜けに明るく優しい・・・
そういう意味で、
私はくまモンを心から尊敬している。
theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体
tag : くまモン
