冬、小寒のころ⑦・・・アウトプットで成長
子どもたちが頼もしいと思えるほど成長するのを目の当たりにします。
長年、その要因はおそらく「作文」にあると思っていましたが、
とうとうその科学的・論理的証拠をみつけました。
みなさんは、インプットアウトプットという言葉をご存知でしょうか・・・
インプットとは、「読む」「聞く」のこと。
アウトプットは、「話す」「書く」「行動する」のこと。
つまり、
本を読んだり、知っている人から聞いたり、
学校・セミナーで学んだり・・・
そういうことが、インプット。
学んだことを、人に話したり、日記に書いたり、読後の感想を書いたり、
ブログにしたり、学んだことを実際に行動にしてみたりすること・・・
それが、アウトプット。
さて、一般の人はこの両者の比率は、だいたい7:3ぐらいだそうです。
では、自己成長するには
両者の理想的な比率はいったいどのくらいだと思いますか?
・・・・・・
それは、3:7・・・
逆なんです。
子どもたちはこの時期、前期試験や後期の試験準備のために
実に多くの作文を書きます。
一行書けない生徒が、ヒントの柱を参考にして
徐々にかけるようになっていきます。
やっとこさ書いた作文に、私の赤が入り、
その後きれいに清書して、ファイリングしていきます。
このインプットとアウトプットの繰り返しが
一本の縄のようにあざなわれる過程で
子どもたちの書く技術もこころも
お見事!というぐらい成長していきます。
実は、同じアウトプットでも、「話す」より「書く」ことのほうが、
圧倒的に記憶に残り自己成長を促すそうです。
書くことは、脳幹網様体賦活系(もうようたいふかつけい)
=RAS/Reticular Activating Systemを刺激します。
この脳幹網様体賦活系(RAS/Reticular Activating System)は
脳幹から大脳全体に向かう神経の束で、神経のネットワークであり、
「注意の司令塔」という異名を持つほど重要なところです。

RASが刺激されると、大脳皮質全体に
「目覚めよ! 注意せよ! 細かいところまで見逃すな!」
という信号が送られ、集中力を高め、
積極的に情報を収集します。
この「書く」という作業は、
「自分の意見」「自分の気付き」を盛り込むこと、また
「以前はこうだった」が「今はこういうことに気が付けた」・・・で
「これからはこうやって行動したい」とおさめていくことで
さらに自己成長を促します。
この「書く」は、PCやスマホに打つよりも
手書きの方が効果があります。
そして、アウトプットの頻度も大切です。
脳に入力された情報は、「海馬」に仮保存されます。
仮保存される期間は2~4週間です。
その間、何度も使われた情報は、
「重要な情報」と判断され、
「側頭葉」の長期記憶に移動します。
まさに受験期の今、彼らがやっている「作文」なのです。
どうりで、どうりで・・・
こうして繰り返されるインプットとアウトプットは
まるでらせん階段を上がるごとく
少しずつ確実に自己成長を遂げていきます。
今ひかえめに「少しずつ確実に」と書きましたが、
じつは、受験生の作文指導をしていると
「劇的に」「飛躍的に」という感じです。
さて、日頃みなさんのインプット・アウトプットの比率はいかがですか?
人はいくつになっても自己成長を願うもの・・・
学んだことを、人に話したり、日記に書いたり、読後の感想を書いたり、
ブログにしたり、学んだことを実際に行動にしてみたりすること・・・
そういうアウトプットの比率を是非上げてみてください。
一年後には、劇的にひと回り大きくなった自分に出会えると思いますよ。
theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体
