秋、白露のころ②・・・雲に宿る竜
でも、曇りや雨でも楽しみ方はある。
特に今回の長野の旅は「雲」の旅だった・・・
旅の始まりは、雷雲と雷雨・・・
いつもは絶対に間違えないのに
夜中だったからか、雷雨だったからか・・・
すーっと新名神に迷い込んだ・・・
まさに「山怪」の世界・・・
(「異界百名山」原作「山怪」
本日9月9日15時から再放送!NHKBSにて)
山の「闇」は平地の「闇」とは全く違う。
何かが生まれそうな、そして、何かを引き込みそうな、
そんな「闇」だ。
高知の山でも感じた恐怖と畏敬が
同時に体の下から沸き起こる・・・
どんどん近づく頭上の雷鳴と稲光・・・
近づきたくないのに高速道路だから
近づかないわけにはいかない・・・
味わったことのない恐怖からか
車中であっても首をすくめる。
土山の山頂で雷鳴と豪雨の洗礼・・・
今まで雷に恐怖を感じたことはなかったが
この時ばかりは縮み上がった・・・
町中で見る雷と山頂の雷鳴は全く別物だった。
まさに、人と神の違いをまざまざと見せつけられた。
山中での雷鳴と雷雨は、決して人間を寄せ付けない
「畏れ」の仕業であった。
まあ、必然の20分ロス・・・
結果的にその20分が意味があった。
そのロスのお陰で
山梨の一般道で渋滞に会い
1時間ほど遅れて富士山の北側へ・・・
すべてが遅れたから
あきらめていた富士山を拝むことができた・・・
そうやって久しぶりに出会った富士山は
傘雲(釣鐘雲?)をかぶっておられた。

刻一刻と変わるその雲は
森羅万象、諸行無常・・・

「雲」という漢字は、
「あめかんむり」に「云」・・・
はじめは、云(うん)という象形文字だけで
雲「くも」という意味の字だったそうだ。
のちに雨(あめかんむり)を加えて雲の字となった。
云は雲の流れる形の下に、
竜のしっぽがうちに巻いて現れている形だそうだ。
つまり、雲の中には竜がいると考えられていた。

そういう知識があると
曇りや雨の旅でも
結構楽しめるのではと思う・・・
theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体
