夏、小満のころ⑮・・・大衆酒場の粋とオキテ
酒場詩人こと、吉田類さんの本だ。
わたしもお酒をたしなむ?が、
最近やっと「大衆酒場」で飲んでいても許される
年齢(資格?)を得られるようになったかも・・・と思う。
かつての職場近くに、ずっと気になる大衆酒場があったが
酒場での粋がわからぬ、子供の自分には、分不相応と躊躇していた。
TakeOutのたこ焼きを買うとき、ちらっとみえる大人の雰囲気・・・
まだそこにデビューするには、わたしの経験も智慧も薄かった。
大人には二つの定義があると思う。
ひとつは、少しだけ贅沢ができるという「大人」・・・
度が過ぎれば、偉そうぶる大人もこれに入るかもしれない。
もう一つは、
酸いも甘いもかみ分け、それでいて分別をわきまえている。
けっして偉そぶらず、それでいてじんわり人生の味が出ている・・・
そういう大人・・・
大衆酒場には、そういう大人たちが
まるで胎内にもどったかのような
ほんわか脱力した空気が流れる。
飲み過ぎず、酔い過ぎず・・・
それでいて垣根のない陽気さがある・・・
そういう粋な酔い方ができるまでは、
大衆酒場で杯を傾ける資格?はない。
大衆酒場には決まって古女将がいる。
客が飲んで他の客にくだをまかぬようピシッとたしなめる。
店によっては、3杯まで!と決められてる店もある・・・。
みなが気持ちよく飲むために
店にはいつのころからか生まれたオキテがあったり
女将そのものがルールになっていたりするのだ。
この本にもいくつか名言があるが
そのひとつ・・・
「オキテの意味するところは、
他者への思いやりから派生する部分が
根底にあることを強調したかった」
残念なことに、今日もこんなニュースが流れていた。
「市教委、校長に隠蔽指示 」
昨今、こういった古い大人が見せる「オキテ」は
自らや自らの組織の醜い保身のためが多いが
「大衆酒場」のオキテは、
人、歴史、風土が互いに心地よく交わるための
心地よいやさしさなのであろう。
最近では、20~40代の若い人に
この「大衆酒場」が人気なのだそうだ。
たぶん、こういった古い大人からの決別が始まっているのだろう。
わたしも「老害」にならぬよう、
少しずつ大衆酒場の「粋」と「オキテ」を学ぼうと思う。
theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体
