7月宙結び随想 ~「飽き」と暮らし~

人の感情に「飽き」というものがある・・・

15-7宙結び (19)

「飽き」というものは、同じことを同じように繰り返される過程で
心が「耐えられない」という気持ちになる一種の鬱積のようなものだ。

15-7宙結び (15)

しかし、この「飽き」との向き合い方が人の成熟度をあらわしているように思う。
そもそも成熟した人というのは「飽き」という感情さえ生まれてこない。
「同じこと」が繰り返されても全く動じないのだ(笑)

15-7宙結び (5)

「あたりまえ」ということが「あたりまえ」になっているといってもいい。
それだけ軸がしっかりと、でもゆったりと構えている。
まるで古武道の「正中線」のようである。

15-7宙結び (7)

小さいころ、何度も筆箱を変えたり、
その筆箱の中には、同じ赤ペンが何通りも入っていたり・・・
同じお弁当のおかずや毎日のご飯に文句や愚痴をこぼしたり・・・
本当に未熟な時期が私にはあった。
今思えば、「飽き」に翻弄され、
次にやってくる飽くなき「所有」に心をのっとられた
お恥ずかしい限りの時代である。

15-7宙結び (2)

その全てが少しずつ確実に「感謝」(飽きとの決別)へと変わったのは
学生時代ひとり暮らしを始めてからである。
何てことはない・・・暮らしの一瞬一瞬、ひとこまひとこまを
全て自分でしなければいけなくなって初めて「当事者」の意識が持てたからである。
どうやら人は当事者になるまで気付かない習性があるらしい・・・。
そして、「当事者」になることは「飽くなき追求」を終わらせる最大の武器のような気がする。
私が若者に一人暮らしや一人旅を勧める理由はそこにある。

15-7宙結び (26)

私の暮らしの「正中線」ってなんだろう・・・
そして、私たちに共通の暮らしの正中線があるとしたら、それはなんだろう・・・って考えてみた。

15-7宙結び (23)

黒蜜が、ある一点に集まり、垂直に美しい糸を引きながら落ちていくように(笑)
私たちに共通する美しい落としどころ(落下地点)はあるのだろうか・・・。

いまの世の中、意見の相違と目的の多様化が目立ちすぎて
ややもすると「みんなそれぞれでいいんじゃない!?」となっていく。
確かにそう、確かにそうなんだが、
本当にそれだけで私たちは生きていくこと(呼吸)が出来るのだろうか。

15-7宙結び (10)

青臭いことを言うようだけれど、
私は違うと思う。

15-7宙結び (8)

「それって、なんかいいね」

「うん、いいね」

と思わず言葉がもれることなしでは
人はきっと窒息してしまうのではないんだろうか・・・

同じ場所で同じ気持ちになっている・・・
何気ない会話ができる幸せ。

15-7宙結び

「キヒゴン」の創作そうめんの売り切れ間近・・・
ふと店にあった素麺をゆがきたくなり・・・
みんなで食べた(笑)

15-7宙結び (27)

そのなんとなく「いいね」の光景・・・
そういう日常が私たちを生き返らせ、潤すんだと思う。

15-7宙結び (4)

今日、この瞬間でさえ、
世の消費社会は、「飽き」を起こさせないよう新しい商品を
必死につくり上げ、必死に生産し、必死に販売する。
これが人間の等身大の生業を失わせ、人の心を疲れさせ、
しいては地球資源の無限の搾取にも繋がっている。

15-7宙結び (13)

私が小さいとき「大きいことはいいことだ~♪」と
どこかのお菓子メーカー(?)がCMしていた。
あのころは、高度経済成長の残り香がまだあったときで
消え細る「成長」の尻尾を大人たちは必死につかんでいたように思う。
子供の私も、何の疑いもなく無邪気に、無知に口ずさんでいたものだ。

「飽き」という感情をうまく煽り、
永遠に新しい「何か」が必要なような「誘い」がどんどんやってくるのが
今の「飽き」「消費」という世界であろう。

15-7宙結び (20)

私のホットサンドの代金がそのままキヒゴンの素麺代へと移動する。
そこには、「利子」も「不労所得で搾取された分の取り戻し」も
「よく見えない中間マージン(手数料)」も発生しない純粋な交換があるだけである。

「これだったら物々交換で十分だね」と笑い合う空間に
ささやかな暮らしの希望が存在する。
巨大な消費イベントという場が、
人間らしいゆるやかな「結」と「交換」の場に代わるときもまた・・・
「いいね」がひとつ生まれる。

15-7宙結び (8)

安保法案でデモを仕切っていたリーダーの学生が
「本当はこんなことしたくないんです。早く普通の生活に戻りたいんです。」
といった言葉がとても印象的だった。
ここでいう「普通」というのは、単に「普通」で「飽き飽き」した日常ではない。
それは、無言で追い立てる「飽き」のリングから開放された、素晴らしくありふれた暮らしなのだ。

15-7宙結び (3)

「飽き」は「破棄」と「所有」をもたらし、
「暮らし」は「守り」と「循環」を重んじる。
保守という意味ではなく、「当たり前のことを当たり前に出来る」という守りだ。

戦時中、広告という手法で戦争推進の片棒を担いでしまった花森安治さんは
戦後、自戒の念を含めてこういっている。
「そのとき(終戦直後)、おぼろげながら思いついたことは、戦争を起こそうというものが出てきたときに、それはいやだ、反対するというには反対する側に守るに足るものがなくちゃいかんのじゃないか。つまりぼくも。含めてですよ(略)一般のわれわれは、それがなかったら簡単にゴボウ抜きだ。抜く必要もない、浮いておるんだから、こっちへこっちへ寄せてくれば、吸い取られてしまう。風呂のアカみたいなものだった。
それでぼくは考えた。天皇上御一人とか、神国だとか、大和民族だとか、そういうことにすがって生きる以外になにかないか。ぼくらひとりひとりの暮らし、これはどうか。暮らしというものをもっとみんなが大事にしたら、その暮らしを破壊するものに対しては戦うんじゃないか。つまり反対するんじゃないかと。」

ガンジーもいいます。
「あなたのすることのほとんどは無意味であるが それでもしなくてはならない。
そうしたことをするのは 世界を変えるためではなく
世界によって自分が 変えられないようにするためである。」と・・・

花森さんやガンジーの言葉には、
その時代の当事者にしか出てこない貴重なトーンがある。
反対とか賛成、どちらの言葉を使うのかなどという議論(空論)を
超えた気づきと重みを現代の私たちに知らせてくれている。

平成の時代を生きているsora-piyo・・・
とりあえず・・・これからも微笑みながら、
そばにいる人と笑いあいながら・・・
当事者としてぽちぽちぽちぽち続けていきます。

15-7宙結び (18)

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No title

暑いですね、いかがお過ごしですか。
仰ること、とてもよくわかるような気がします。ただ、同じことを指すかはわかりませんが、私は非常に飽き性です、、、。本当の職人のような気質でどっかりすることができません。未熟なんだろうな、と このブログを読まずとも自分で感じています。もちろん変わらなければいいな、と思うものもたくさんあります。新しいものが欲しいとか、何か新しいものを生み出してやろうとか、そういうことを思っているわけでもありません。でも、この今の暮らしを大切に思ってないのかな、自分は。と考えてしまいました。だからやっぱり多分、soraさんのように腰を落ち着けた生業をしていないのだと思います。いつも自分を見てる自分がいるような感じで不思議な感じがしています。

「飽きる」という自己否定と仕切りなおし

四六時中、「飽きた」という人はきっと直前の自分も過去の自分もあまり好きではないのではないでしょうか。若いときに「こういう自分をやってみた、でも違ってたみたい・・・だから次へ」みたいに、それをかなりの回数繰り返すことはよくあることのような気がします。
その場合、その「飽きる」がそれまでの自分をいったんリセットし、新たな自分を試してみるスタートになることも一つの希望かとも思います。
ただ、それを人がまくし立て「飽きる」ように仕向けていくことことは問題だとも思います。

また、枝葉末節の行動は変わっているように見えても、根底にある変わらない何かがある人は「飽き」を浄化させ、沈静化させているような気がします。
そういう意味で「飽き性」と言いつつ、ちゃんと「飽き」と向き合っているはるちゃんは当てはまっていない・・・かと思います。個人差はありますが、ある年齢になってくると「飽きる」というよりは「流れを受け入れる」という飄々とした感じが出ますが、soraもまだまだ途中路です(笑)。

かつて自分の先輩に「平凡がいちばん偉大だ」といっていた方がみえました。それを聴いた当時20代前半のsoraは、何を小さなことを・・・と思っていましたが(苦笑)今ではそれがとてもとてもよくわかります。
それほど「飽き」は自分を失わせ、足元を見失わせる質をはらんでいると思います。
はるちゃんも私も道の途中・・・これからも互いにいい旅をしましょう。

No title

なるほどー。
ありがとうございます。まだまだ道半ば、学ばせて頂きたいと思います。
平凡が一番偉大、、、そうだと思います。なんか、そういう意味でもどっちにしろ偉大になれなさそうです、笑
何をしても中途半端で人生足りなさそうです、私は、、、

「飽き」を超えたら・・・

「飽き」を超えたら・・・きっと全てが自然体で流れている域になるんだと思います。私も道半ばを楽しみながら・・・自然でいること、自然な思いに出来るだけ毎日浸れること・・・心がけたいです。
いずれまたゆっくりと・・・(^-^*)ノ
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