十年、をちこち・・・78
おそらく私のような問い合わせが数多く寄せられていたのでしょう。
確か二人ほどの店員と話し、
ふたり目は、責任者らしき人でした。
意外にも若かったその電話口の声には
独特の冷静さとそれでいて金融機関らしい
けっして譲ることはなさそうな威圧がありました。
そして、さんざん話した挙句・・・
こう言うのです。
「でもね、あなたも本を売って
印税を稼ごうという欲があったんでしょ?」
「は、はぁ・・・」
クレジット会社の店員の言葉とは思えないその言葉に
それまでのこだわりがうそのようにぽかんとしてしまいました。
そうか・・・
そういうことか・・・
この一連の行動の結末はこういうことか・・・
名誉欲
金銭欲
わたしがこの世に来た目的はなんだ!?
何かを始めるときの動機が
自分の人生の目的に反した時、
こうして行動のすべては、
なかったことにされるんだ・・・
あの声は、店員の声ではない。
道を誤らせないための
わたしへの神さまからのメッセージだ・・・
本を出すことは悪くない。
でもその動機が大切なんだ・・・
クーリングオフされたのは
クレジットではなく、
わたしの心でした。
自分でも、あほな感覚ですが・・・
120万以上の借金を抱えることになった私ですが
どこか、晴れ晴れとした気持ちになっていました。
払っていこう・・・
受話器を置くころには
なぜかそういう心境になっていました。
theme : スピリチュアルライフ
genre : 心と身体
十年、をちこち・・・77
申立代理人への質問、
破産管財人への質問、
県民センターへの相談、
クーリングオフのネット相談、
弁護士無料相談・・・
できることを片っ端にしました。
①契約の解除
②クレジットのクーリングオフ
③書籍データと原稿の返却
④個人情報・著作権の保護
いろいろと聞いていくうちに
①③④はできることがわかってきました。
ただ、肝心の②はどうしてもできないというのです。
つまり、本という現物がないのに
これからも、5年にわたり支払い続けなければならないということです😢
理由は・・・!?
わたしの記憶が正しければ・・・
一番のネックになっていたのが、
当時の法律では、クーリングオフができる商品の中に
「書籍」はあっても
「出版」がなかったことでした。
(現在はどうかわかりません)
本をつくり、本を売る・・・
結果として「書籍」という現象では
何も変わらないのですが、
「出版」という二文字でないため
法は適用されないのです。
「出版契約書」
確かにそう書いてありました。
クレジットはすでに始まっていました。
いったいどうなるのか・・・
ただ、県民センターで聞いたある方法をとってみようと思いました。
それは、クレジット会社への抗弁書送付※・・・です。
※抗弁権・・・販売業者に問題が生じている場合(抗弁事由がある)に、クレジット会社(信販会社)に対して、その生じている問題(抗弁事由)を主張して、クレジット会社からの支払を拒否する権利
破産申請中の会社の場合は、
抗弁も無効になることがほとんど・・・
とも言われていましたが、
ダメもとでやってみました。
そして、この抗弁書送付にあわせて、
クレジット会社に直接電話もしました。
そのときです。
電話口で言われたある言葉が、
当時の私の頭を
ガツーン!
と張り倒すことになります。
十年、をちこち・・・76
「東京地方裁判所 民事20部」
これまで見たことのない薄灰色の封書です。
裁判所?
何ごとだ?
・・・・・・・!?
封を切った私に、
信じられない文字が飛び込みます。
「破産手続き開始通知書」
「・・・・・・・・」
「はい!?」
人生上、初めて受けとる封書と内容に
心臓がドクドク・・・
頭が混乱します。
気を取り直して、もう一度よく読みます。
「破産」
「手形不渡り」
「債権者」
「・・・・・」
要は、倒産?
すべてが止まりました。
なれない手紙を何度も読み返します。
手紙には、破産管財人と申立人代理人の2名の名前があり、
東京で、債権者説明会があると言います。
また、後者に、問い合わせができるというのです。
東京へ出るか・・・
でも、
説明会ではきっと怒号が飛び交うだけで(TVでよくやってる)
根本的な解決にはならないな・・・
何よりも、そんな楽しくもない、つまらないことで
わざわざ道中の時間と費用を使っていきたくもない・・・
遠出は楽しい目的で行きたいが信条(笑)
どこかそう冷静だったことも覚えています。
とりあえず、申立人代理人に事情と今後のことを聞こうと思いました。
実はこの一連のことは知る人ぞ知る・・・
ですからご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
当時は、個人の方がブログを書いている程度でしたが
十数年ぶりに検索をかけてびっくりしました。
今ではしっかりWikipediaで立っていました。
こちら➡碧天社
時のながれを感じさせます。
theme : スピリチュアルライフ
genre : 心と身体
十年、をちこち・・・75
十年、をちこち・・・74
慌ただしく、契約の書類、クレジットの書類が届きます。
最終的に、12月27日
出版に必要なすべての契約を結びました。
このスムーズさとスピーディさが
ちらっとは気になりましたが、
わたしにとって出版は初めてのことでしたので
それが、不自然なことなのか
普通のことなのかは、当時知る由もありません。
出版社へのクレジット入金が1月20日・・・
とにかく、いよいよ始動です。
なぜここまで詳しいかというと
この出版に関する書類はすべて
ファイリングしてあるからです。

いまは、改めて読んでも、
懐かしむ余裕があります(笑)
すぐさま、出版社から完成までの計画が送られてきました。

半年後には、書店に並ぶはずでした・・・
はい・・・
theme : スピリチュアルライフ
genre : 心と身体
tag : 出版