樹下石上 117・・・自立ってなんだ!?④
ですから備えをしっかりしましょう!」
―9/1防災の日が近づくと連呼する政府とマスコミ―
「老後は2000万円(国民年金者はそれ以上)必要です」
―金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 令和元年6月3日―
「消費税が上がります。
買わない生活をして節約を・・・」 ―日経新聞―
➡消費増税に節約で勝つ 日常生活品にこそ削る余地あり
経済の専門誌が、「日用品を削りましょう」とは
まるで戦時中なのでしょうか!?
本来、日本の経済の問題を指摘し、
お金のしくみの不備を指摘し、
対策を考えるのが筋・・・
日本にお金が不足している最大の原因は
政府の、財務省の財政政策にあることさえも指摘せずに
国民の節約と自己責任を煽る悪紙、悪記事・・・
専門誌として冠をかかげるなら、
もう少し勉強してもらいたいものです。
最近の経済防衛、生命防衛は
国民に自己責任を押し付け
丸投げに近い状況です。
おまけに、少子高齢社会の年金問題でさえ
「女性もバリバリ働いて、お見合いパーティに行きましょう!」
という厚生労働省・・・

➡子供を産むのは国のためじゃない! 批判殺到の厚生労働省「年金マンガ」の問題点
たしかに個人でできることもあるでしょう・・・
しかし、家の前の電柱が何本も倒れたり、
高圧送電線の鉄塔が倒れてくるのを
どうやって備えろというのでしょうか・・・
助成金や補助金は、「公害」「震災」の時と同じで
一部漏れてしまう人も多々、
数年で廃止されてしまうことがほとんどです。
リーマンショック級の打撃がない限り
消費増税は予定通りと言った首相自らの発言・・・
あの千葉の災害、初動が遅れた人災を
リーマンショック級とみなせない政府は
わたしたちにいったい何を望んでいるのか?
それは、「自己責任」です。
つまり、国に頼らず
自分でやってね!
でも、国が大変な時は、税を集めるね!
最悪の場合は、血を流して守ってね・・・ということです。
これからはもっと醜く
この自己責任を押し付けてくるでしょう。
隠れた特別予算があり、
安倍首相が『イヴァンカ基金』に約57億円を拠出(2017)する一方、
(女性起業家を支援する基金)
だれにも(民間)相談なく600億円相当のトウモロコシを
民間に買わせると言ってしまう・・・
望月「トウモロコシ飼料の件、東京新聞が主要な飼料メーカーに取材をしたところ、追加または前倒しで購入と答えたのは現時点でゼロ。民間の需要が全くないのに600億円規模ものトウモロコシ飼料を買わせるのか」
— SHIN∞🌏 (@shin919infinity) September 24, 2019
ス「現在、各飼料メーカー、購入時期を検討しているところ」
検討もゼロなんじゃないの? pic.twitter.com/qvFzddNpym
そして、千葉には、13億円しか出そうとしない異常さ・・・
「活躍」には出せるのに、いのちからがらの方々には出し渋る・・・
いったいこれはなんなんだ!?
そんな中、若者たちは「自立」を迫られているのです。
奨学金を抱えながら社会に出ていく・・・
出会った異性も奨学金を抱えている・・・
子育て支援は、世知辛く・・・
いったい何の「自立」を達成しろというのか・・・
以前ご相談でこんなことがあった。
中小企業として、リサイクル工場を一代で軌道に乗せた先代・・・
息子にその会社をまかせ、息子も大変頑張っているが
このご時世、どうもうまく行かない・・・
先代であるその母親は、
その息子を援助すべきかどうか・・・
援助したら「自立」できないんじゃないか・・・
そんなご相談でした・・・
・・・・・
「いえ、できることはやってあげてください」
私の回答です。
なぜか、
まず一つは時代の違い・・・
右肩上がりのバブルの時ではない今・・・
自己責任を丸投げしてくる政府・・・
そんな時代に、援助がなければ、首をくくりかねない・・・
二つ目、
だれかの資産は、だれかの負債・・・
もちろん、直接でないにしろ、
お母さんが援助できるほどの資産を持っているということは
それは息子の負債になる(である)・・・
そういうマクロのお金の原則・・・
余談ですが、
「かわいがれるうちはかわいがれ」
これは父が納棺のまえ、
畳の上で横たわっているときに聞こえた声・・・
この声は、けっして私と父との個人的なメッセージではなく
この世とあの世の境目を超えて入った父の声ですから
おそらく、人の世界の、いのちいただくこの世の
大原則なのではないかと思うのです。
要は、本当に互いの自立を願うなら
けちけちせずに、できることはどんどんやっていきましょう・・・
「自立」という大義名分を果たす前に
若者や子供たちのいのちが削られて行っている・・・
やれることはやればいいし、やってあげればいいし、
やれないことは、無理しない・・・
これが「自立」の本質なのでは・・・
そう思うのです。
そう考えれば、だれだってさんざん
やってきてもらってきてここまで成長してきてるではありませんか・・・
「自立」にならないからといって
出し渋る必要がどこにあるのでしょうか・・・
出し渋るのは、国だけで十分です。
theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体
十年、をちこち・・・㊲
未曽有の大震災が起きます。
店を始めてからの10年間・・・
その中でわたしが大きく揺り動かされた出来事と言えば
この大震災しかありません。
あのとき皆さんも、居ても立ってもいられずに
「自分にできることを何かしなくては・・・」
と思われたのではないでしょうか・・・。
その揺れ動きから生まれたのが
手作り市「宙結び」「笑市」
「100年後も笑いましょに」の「書&アートパフォーマンス」
音読会「花結び」
などです。
思いつくものすべてをやってみました。
当時の私の動きがあまりにも早すぎてpiyoさんは、
「首がもげる」
といっていました(笑)
あれから7年です。
子供たちと接していても
記憶がある子とそうでない子が入り混じるようになりました。
人生で、それまでも多くの地震や災害を目の当たりにしてきましたが
原発事故と大津波が重なるあの大震災は、
わたしたちを生きる根元から変えていく、
そういう・・・本当に本当に大きなできごとでした。
突き詰めて端的に言えば、
「ほんとうに大切なものは何ですか?」
そういうことだったと思います。
バブル崩壊後の小泉政権あたりからじわじわと
「自己責任」という真綿で首を絞められていた大人や子供たち・・・
いまでも一向に責任を取ろうとしない政治家や
社会的地位の高い会社経営者が作り上げる「社会」・・・
そういった旧態依然の閉塞的な未来に・・・
子供たちも大人たちもほんとうに窮屈な思いをしていました。
自己責任は人と人とのつながりを「分断」していったからです。
あの大震災で「絆」という言葉が
クローズアップされた理由には、
そういう背景があったと思います。
「自己責任」
「分断」
それしか生きる道がないと思い込んでいた世の中の流れが
「そうではない」
降り戻された瞬間でした。