令和buzz16・・・10代でしておく大切なこと③
「本物に触れる」
これは、将来偽物に振り回されたり
だまされたりしないようにするための、
そして自分が本物になるためのこころの保養です。
若いころ、本物に触れておくと
偽物が多いこの世の中で
大切なものを見抜く力や
偽物に出会ったときの
違和感を育てることができます。
「なんとなくおかしい」
そういう力が身につくのです。
本物には
独特の「におい」があります。
肌ざわり、音、気・・・
そういったものが若者の五感に
知らず知らず影響を及ぼしています。
私事で恐縮ですが、
私の家は「テーラー」でした。
なので、父は母はいつも
大きな木の作業台の上で
背広や婦人服を仕立てていました。
この「仕立てる」という言葉も
本物を扱う現場だからこそ飛び交う言葉です。
ですので、本物に触れると、自然に
語彙力も増します。
布は切るものではなく、「裁つ」・・・
父母の仕事場には、いつも
高級な紳士服の布や
職人である父母の手、
その手になじむ針や糸、
はさみがありました。
日常聞こえてくるのは、
職人が出す本物の音でした。
小さかった頃は、
何の気なしに触れていたそれらは
20代30代になって私の心に
審美眼と真贋力を宿す力になりました。
といっても、私も一度欲のために
大きくこの目と力を曇らせたときがあるので(笑)
偉そうには言えませんが・・・
➡十年、をちこち・・・70から79
若い時、本物に触れることは、
間違いなくこの審美眼と真贋力を育てる
ベースを作ることになります。
そういえば先日、自由研究コンテストなどで
三年連続賞を取った小6の少年についての新聞を読みました。
➡疑問、とことん付き合う 「探究少年」育てるヒント
彼は仏像が大好きで
全国いろいろな場所に出かけては
仏像を見て回っているそうです。
そんな彼のご両親の教育方針の一つが
「本物を見せる」です。
ゲームに走りそうになった彼に、
子ども時代にしか味わえない感動がある・・・と
いろいろなところに足を運び
ちゃんとした本物をいろいろと見せたそうです。
彼を見ていると、本物を見ることは
自分なりの方法で「答え」に近づいていく
「探求心」も育てるのだなと感じ入りました。
器
絵画
音楽
仏像
書
建造物
古い映画
・・・
なんでもいい・・・
その時、その価値はわからなくとも
それらは体内の記憶として残っており
それがいざというときに芽吹き
「気づき」を与えてくれる・・・
そしてそれは、やがて
自分が本物になっていく力を与えてくれるのです。
10代でしておく大切なこと・・・その③
「本物に触れる」
歯衣なし宣言0117

theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体