樹下石上 80・・・反抗期という成長
至極まっとうな自然な成長です。
乳幼児期の成長は、皆さん素直に喜びますが、
反抗期という成長を素直に喜ぶ親御さんは少ないようです。
最近の塾やカフェではこの話題が特に出てきます。
青葉が伸びる夏だからでしょうか・・・(笑)
反抗期というのは、子どもが親の意見と違って起こる現象です。
それまでの子どもは
とりあえず親の言うことは無条件に
何となくYESだったのでしょう・・・
しかし、巣立ちした彼らも見聞が広がり、
それなりに生きる術を身に付け始めると
親の意見が必ずしも正しくないことを知ってしまうのです。
親は、今までの範疇で事を済ませようとしますが、
子どもはそうはいきません。
違う価値観に触れ、感化を受け
ときにはいい思いをし、時には痛い思いをし、
そうやって自分の価値観が正しいのか間違っているのかを
実体実験し始めます。
この反抗期で一番してはいけない台詞があります。
「だれのお金で大きくなったと思ってるんだ!?」
これです。
これは、お金で主従関係を作らせる悪契約です。
このセリフをことあるごとに言われた子供は、
友達にも、大きくなって会社に入っても、
さらに自分の子どもが授かっても・・・
ずっとこの隷従関係で生きていきます。
お金のあるなしが、意見の言える言えない、
また、身分の上下になってしまいます。
子どもは親に受けた恩を一生のうちに返せるわけがありません。
それほど偉大な恩恵を親から受けるのです。
恩恵の一部は親孝行という形で洗わせられるかもしれませんが、
「親孝行したいときには親はなし・・・」です。
うけた大恩の多くは、次の世代に順送りするのです。
それでいいのです。
最近の親御さんで気になるのは、
世の中がお金のことで世知辛いためか、
子どもをまるで費用対効果、生産性で計る方がみえます。
大真面目にです・・・
これだけ費用をかけてやったのだから
これだけの成績をとるのは当たり前だとか、
どこそこの企業に入ってもらって、
老後の面倒は見てもらわないと・・・とかです。
繰り返しますが、親から受けた大恩を
子どもはすべて返せるわけではないのです。
ですからそれで首根っこを押さえて、
まるで人質にするかのように・・・
「だれのお金で大きくなったと思ってるんだ!?」は
子どもを萎縮させ、卑屈にさせる愚言です。
親➡子➡次の世代へ
自然界を見渡せばその順番を
逆流させることは一切起きていません。
キュウリの中に種はありますが、
その種は、実が大きくなって
しかも枯れてしぼんで初めて取りだせるのです。
取りださないときは、朽ちて、そのまま地に落ちて
やがて、土と太陽と水の力をかりて新芽を出す。
土と太陽と水は、子どもにとっては世間様です。
親は自分の権限を、本人や
世間様に譲り渡さなければならないときが必ず来ます。
それに抵抗してはいけません。
それが親離れ、子離れです。
そして、子離れの前に必ず、親離れが来ます。
この順番も逆転することはありません。
必ず、親離れが先です。
どんなに生意気でも、お金がなくても(笑)
偉そうに(笑)親離れが先に来るのです。
それが、反抗期であり成長なのです。
その反抗期を、
多少の腹だだしさと笑い・・・
そして、寂しさで見届けるのが親のお役目・・・
反抗期・・・それを見届けたら赤飯を炊いてお祝いしてください。
「よくぞ反抗してくれたね」と・・・
よろこばしい成長の証なのです。
theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体
tag : 反抗期