樹下石上 62・・・前川喜平さん
文部科学官僚で、文部科学事務次官まで上り詰めた人だ。
例の加計学園問題で、2017年(平成29年)5月25日に記者会見を行い、
「総理のご意向だ」などと言われたなどと
記録された文書14点あり、
「あったものをなかったことにはできない」などと勇気をもって述べ、
文部科学省で作成された文書であると主張した人物だ。
そして、その情報を前川さんに持ってきた人物については
かたくなに口を閉ざし、当該者を守った。


しかし、読売新聞がこの記者会見の3日前に、
この前川さんが出会い系バーで女の子と値段交渉をしていたと
嘘の下品な記事を載せた。
事実は、文科官僚として、「女性の貧困と子供の貧困」に
実地調査を行っていたにすぎない。
これは、前川氏が3日後に行う加計問題の歴史的記者会見を
台無しにするための印象操作だった。
彼の人格を著しく陥れる嘘の情報をながし、
情報そのものの信ぴょう性を下げるように仕組んだのだ。
この操作操作は、官邸と内調が動いたに違いない。(前川さんの推察)
彼の情報の価値を下げる姑息な手段を
官邸が内調を使ってやらせたのだ。
これは、映画「新聞記者」にも出てくるが、
嘘をでっちあげる内調に心が痛む官僚(松阪桃李)が
「嘘をでっちあげるんですか?」とトップに問い詰めると
そのトップが能面のような顔でこう告げる。
「真実かどうかは国民が決める」
わたしたちは日々、内調の情報操作で
白を黒に、黒を白に認識させられるのだ。
国民自らが、真実を闇の葬る瞬間である。
わたしたちも「賢く」ないと
簡単に内調の罠にはまってしまうのだ。
その前川さんが、先月鈴鹿で講演を行っている。
私は知らなかったが、ちゃんとYouTubeに上がっていたので助かった。
昨日見てみた。
二時間にも及ぶ長い講演だが、
こちらは是非ご覧になって選挙に行かれることをお勧めする。
細切れで毎日10分でいい・・・
本当に見てほしい。
私は日ごろ「こっちとあっち」・・・
絶対にこっち!とはめったに言わない・・・
でも今回の選挙だけは、
政治だけでなく、教育問題も関係してくるので
はっきりとNO安倍政権の立場をとっている。
自民党支持者を悪く言う気持ちはさらさらない。
だだ、今の自民党が「安倍党」「官邸党」になっていて
官僚から、政治家までが「忖度」している今の状況は危険と思う。
いま、一強独裁の安倍政権と決別しなければ
本当に大変なことになる。
選挙までは、このブログで再三書いていこうと思う。
政治の話が嫌いで苦手な人もいるだろう。
でも事態は、「嫌い」「苦手」では済まされないところまで来ている。
私の話では、いまいちという人は
是非 前川さんの講演会の動画をみてほしい。
今の安倍党の考え方は、
今の憲法のように、
個人(国民)の自由が先にあって、人権が尊重され
そのあとで国家があるとは考えていない。
ざっくりでは、片山氏のこのtweetをみれば一目瞭然だが、

片山氏のツイッターを見るまでもなく、
それは彼らの憲法改正案を見ればわかる。
いつの間にか国民の義務だらけになっている。
たとえば・・・
前文 「日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、
基本的人権を尊重するとともに、和を 尊び、
家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。 」
わたしたちの基本的人権は、
国家を形成するためにあるのではない。
また、
第一条でも腰を抜かす。
「天皇は、日本国の象徴であり元首であり・・・」
明治憲法に戻すのである。
しかもこの天皇は、
第六条 4
「天皇の国事に関する全ての行為には、
内閣の進言を必要とし、内閣がその責任を負う。」
内閣が陰で天皇をコントロールできるのだ。
それは、陸軍の暴走を止められなかった
第二次世界大戦と同じ状況がつくられる可能性があるということだ。
しかも・・・
「ただし、衆議院の解散については、内閣総理大臣の進言による。 」
意にそぐわない審議で国会が紛糾したり
不正を追及されて逃れられない証拠を突き付けられたときなどは
衆議院の解散ができてしまう。
つまり、内閣総理大臣が有利な時に
衆議院の解散できる権限を与えている。
これでは候補者擁立が難しい野党が
負けてしまうのは目に見えている。
これを民主主義とは言わない。独裁なのだ。
さらに、
第三条 国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする。
2日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。
第九条では、「戦争の放棄」の言葉を消し
「安全保障」に変えている。
はっきりと国防軍を明記し、
戦争放棄の条項の後に、
「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。」
と例外を認めている。
これでは、第九条1項の「戦争の放棄」はないに等しいのだ。

他にも、
第二十四条
「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。
家族は、互いに助け合わなければ ならない。 」
「基本的単位?」
これは明らかに
(上) 国-社会-家族-個人 (下) という序列化である。
憲法は、本来、
国民が権力者を縛り、暴走を止めるためのものだ。
これは憲法学者の常識だ。
「檻の中のライオン」という絵本がわかりやすい。
檻=憲法
ライオン=権力者
憲法が、国民が守るべき法ではなく、
国家権力を縛るためにあるという立憲民主主義が
わかりやすく書かれています。
➡檻(憲法)をどう作り直す?〜楾大樹『檻の中のライオン』
(1:17ごろから)
この絵本には、憲法と国家権力との関係が
小学生にもわかりやすく書いてある。
それをまったく無視して、
憲法を国民の義務だらけにするのが
自民党の改正案だ。

わたしたちの生活はいつもファジーに満ちている。
答えなどないのが暮らしだ。
大人だって答えなどわからないことが多い。
ところが今回の選挙はそうはいかない。
本当に「どっちにいく?」と言われているのだ。
安倍党はまさに独裁の道を歩き始めている。
以前上げた、ファシズムの兆候がすでに表れているからだ。

これは誇張でも煽りでもなんでもない。
これまでの政策・事件、隠蔽・改ざん、
通った法律を見れば明らかだ。
かつて、「ゆとり教育」が
じつは「超エリート教育」だったように
彼らは言葉巧みに真実を隠す。
笑い事ではない。
ほんとうに 「どっち?」
それを問われているのだ。
前川さんも講演会で何度も念を押されている。
(1:000:000ごろから)
わたしたちにとって、今回の選挙は、
誰のための檻なのか?
ライオンは、今のライオンでいいのか?
そう問われているのだ。
また、その檻を強固にし、
ライオンを選びなおす最後の機会だと 私は思っている。
theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体