樹下石上126・・・とあるサイトのQ&A
発達障害グレーゾーンの生徒さんの就職が決まりました。
ここに書いたり、お話ししたりすることで
本当に色々な方から応援をいただきました。
ありがとうございました。
⇒発達凸凹(発達障害)
たった一人の生徒さんですが、
実に多くのことを彼から学びました。
もちろん、朝が起きれず、
よく遅刻する彼ですから
これからもきっと大変でしょう。
なにもかもこれからですが、
なんとか周りの理解を得つつ、
頑張ってほしいと思います。
⇒小さな挑戦
彼とのことは、この「小さな挑戦」から始まりました。
発達障害について考えることは、
人権とか権利とかそういった近代に生まれた
かっこのいい言葉の大きなレベルのことだけではありません。
もっと身近で、もっと日常的なことです。
いのちとはなにか?
またそのいのちに対してどう向き合うか?
そういう話です。
今までの世の中は、凸凹と言っても規格内の凸凹でしたから
世の中もそうやって回っていきました。
(おそらく排除したためそうできただけですが)
しかし、これからの凸凹は、規格外です。
想定外です。
だからこそ、今までの認識では
きっと本人も周りもうまくいかなくなるのでしょう。
以前彼のことで、発達障害のある有名サイトのQ&Aに
質問をしたことがあります。
そこは、当事者の家族がQ&Aし合える交流の場でした。
「グレーゾーンの彼にとっては
あまりにも理不尽な宿題が出されたので
彼ができる宿題にしていただけるように
合理的配慮を学校側に依頼してもいいか?」
ざっくり言えばそういう内容で尋ねました。
するとどうでしょう。
たしかに善意ある回答もありましたが、
「合理的配慮を振りかざすのはどうか」
「合理的配慮はなんでもしてもらえるという魔法ではない」
「そこまで宿題が出るということはそれまでに
なにか生徒に問題があるのではないか」
「問題がある場合、配慮なんてしてもらえませんよ」
なかなか手厳しい言葉が帰ってきました。
なかでも一番意外だったのが、
「いつか社会に出るんだったらそれぐらいやれるように
していくのが親や指導者(先生など)の役目・・・」
まるで昭和のど根性論・・・
そこに、ベストアンサーの拍手がたくさんくる・・・
その回答者は、発達障害のお子さんを3人お持ちの方でした。
わたしは不思議な気持ちになりました。
たしかに我が子を思うからこそ、そういう回答になるのでしょうが、
わたしには、なにか社会に立ち向かうための
窮屈な強がりのように思えました。
発達障害の子を抱える世のお母さんは、
こうやって鎧を着ないと生きていけない今の日本なんだな・・・
そう感じました。
ただ、このQ&Aをみた他の同じ状態の当事者や家族は
絶望を感じ、二次障害、三次障害へと繋がりかねない・・・
そうとも思いました。
たしかに発達障害の子供も叱らなければならないときはあります。
しかしそれはあくまでも、彼らをよい方向へ持っていくための
方法のひとつです。
社会に合わせるためにしかるのではありません。
しかも合理的配慮は、精神論で語ることではなく、
あくまでも手順の問題です。
あることを成し遂げるのに、
A→B→Cとすんなり行けてしまう子を
学校や社会に適応できている場合とすると、
A→b→b→b・・・・→c→c→c→・・・・→C・・・・
という感じの子が発達障害の子です。
また、スモールbでよしとすることです。
規格外の彼らだからこそ、
規格外の援助がいるときがほとんどです。
そのときの「特別な注文」を合理的配慮というのです。
⇒特別な注文
できるものはできるように、
できないものはゆっくりとそれなりに・・・
そういうことです。
いつか社会に出て、やっていけるようになるためだからこそ
特別な注文で規格外の支援と伴走がいるのでしょう。
そうして、ゆっくりと理解者と援助者を増やしてあげながら
自己肯定感と達成感を重ねさせていくことが必要なのです。
人間は、人生で攻められるようになるためには
守られ、支援され、伴走される体験がいります。
これは、発達障害であろうがなかろうが皆同じです。
守られている(た)体験があるからこそ、
やってみようという外へのエネルギーがわき起こるのです。
特に、小さい子は当たり前ですが、
社会に出る前の中学生高校生でも同じです。
つまり、最初に必要なことは、
彼らのような特質の生徒たちへの理解と受容なのです。
それがないので、
二次障害・三次障害へと繋がってしまうのです。
障害を、個人や家庭が背負う時代から
社会全体が理解受容し、支援と伴走ができる環境に
成熟させる時代へと移していかなければ行けません。
社会に出たらやらなければいけないから
できない子を全面的に社会に合わせ
鍛えなきゃいけない・・・ではなく、
社会に出なきゃいけないから、
理解、受容、支援と伴走を用意するのです。
甘えさせてはいけない「甘え」と
甘えていい「甘え」・・・
特別扱いすることと
放っておくこと・・・
なかなか難しい境目ですが、
十人十色、その時その場で見きわめこそが
今後の大きなポイントです。
①好きなことを続けさせる
②話したがることは最後まで聞いてあげる
③すぐに否定をせずに本人に考えさせる
そのときは、この「ポジティブフィードバック」が
ヒントになることでしょう・・・
いずれにしても今の日本では、
専門のサイトでさえ前述の様相ですから、
道のりは長いかもしれません。
しかし、わたしはそういう世の中が普通になるように
探求し実践し続けたいと思っています。
皆さんのいい知恵や情報がありましたらまた教えてください。
theme : 気付き・・・そして学び
genre : 心と身体